≪三節;“烈王”の臨終≫
〔そして・・・ついに、その瞬間は訪れ―――〕
王:――――・・・・。
医:・・・ご臨終です―――
リ:おお―――あなた・・・あなた〜〜!!
ホ:父さま―――父さま―――!!
〔ショウレツ58年初春―――折からの肺炎と合併症が悪化し、
臨終の数週間前から患った若年性アルツハイマーが、さらに寿命を縮めたそもの原因でした。
若くして自分の父の摂政となり、政治的手腕もさることながら、
若い時分には、血の滾りからか他国へ攻め入った事も度々あり、
そこで現在のガク州・ジン州の地を獲得、彼の代でフ国の領土は最大となり、
名実共にフ国はガルバディア大陸の<中華の国>として栄えました・・・
しかし、年齢を重ねるごとに―――また、世継ぎが生まれた事もあり、
若年時の烈性は鳴りを潜め、また名宰相の手腕もあってか、名君の呼び声も高くなっていったのです。
ですが―――平穏な日々は、その身に佞臣を潜ませる温床ともなりえ、
そのことも発病の一因ともなっていたようです。
かくて―――偉大なる王はこの世を去り、それは一つの時代の終焉を物語ってもいたのです・・・。〕