≪二節;智者二人≫
〔絶えず・・・一緒になって行動をしていた彼らと離れ、単独でウェオブリへと赴き、
また残った彼らで、元クー・ナのカ・ルマ軍を牽制する・・・
これがイセリアの描いた、対カ・ルマ構想でした。
それはそれとして―――婀陀那の招聘に応じ、ウェオブリに着いたイセリアは・・・〕
イ:イセリア=ワィトスノゥ、入ります―――
婀:おお―――よく来てくださいましたな、イセリア殿。
―――して、お仲間は・・・?
イ:フ・・・将軍様もお人のお悪い―――あの指令には、この私以外の誰を伴って・・・
とは書かれてはなかったではありませんか。
つまり―――今回の事は、私一人に用のあったことではありませんか。
婀:フフ・・・ハ―――ッハハハ!!
いや、結構結構―――何一つ説明することなくこちらの事を解かってくれる・・・
これで少しは記録媒体の節約になりますかな。
イ:―――して、ご用件とは?
婀:うむ―――、そなたも気付いておるように、そなたを推挙したのはアヱカ殿。
じゃが―――あの方は尚書令になることの代わりに、最近素行の荒さの目立つ陛下の諫言役を担われた・・・
イ:今のこの時期に・・・諫議大夫に―――そちらのほうが重責ではありませんか。
婀:やはり、そなたでもそう思いますか―――
それに、あの方はそなたを推挙する際、みすみす宝珠の類を茂みの中に隠されるな―――
と、云いおかれた・・・。
イ:・・・あのお方にそこまで見込まれていたとは―――
ここは一つ、お役目に恥じない働きをしないといけませんね。
〔まるで、示し合わせたか―――のようなやり取り・・・
ですが、何も彼女たちは以前からこうなるよう示し合わせたわけではありませんでした。
では、どうしてこうまで話しが食い違わずにすんだのか―――
それは、婀陀那にしろイセリアにしろ、その仕様が全くと云っていいほど似通っていたからなのです。
しかも彼女たちは、お互いがそうであるように、あることも共通していました。
それは―――・・・ある方を軸にして国政を動かそうとしているという事・・・。
ただ、その一つの事だけが根幹としてあったため、互いに言葉を交わさずとも考え方などが分かり合えていたのです。〕