≪六節;グリムズピーの戦い≫
〔―――ともあれ、然るべくして援軍として馳せ参じてきた、ヨキ・ヨミのヴェネフィック軍は、
リリアたち率いる軍勢と、グリムズピー付近で対峙する事となり・・・〕
ョ:ア〜〜―――ッハハハ!! お前たちは、何よりも惨めで屈辱的な敗北を味わわせてくれるよ!!
リ:・・・またあの女―――
皆、あんなヤツの挑発なんかに乗ってはダメよ―――
〔しかしそうは云っても、前回よりも悪辣なる文言を並べ立てられ、兵士たちの士気は滅入る一方でした。
するとここで―――リリアはある決断を下したのです。〕
リ:仕方がない――― 一旦ここ、ベルルーイを捨てて、セシルのいるグレスゴーニュへと移りましょう。
兵:し―――しかし、リリア様・・・
兵:そうですとも! そんなことをすれば、益々やつらを増徴させる事に!!
リ:・・・そんなことは判っているのよ―――!!
けど・・・今は決して攻めに出る時機ではないの!
こんな・・・下らない戦いで、兵士を損ねてしまうことほど下の下はない―――最もしてはならないことなのよ!
例え・・・臆病者とのレッテルを貼られたとあっても、今は耐えるしか他はないのよ・・・
兵:リ・・・リリア様―――
兵:心中・・・お察し申し上げます―――
〔腹に据えかねていた―――それは、兵卒の連中ばかりでなく、彼らを統率している准将や、
果ては軍を預かっているリリアでさえそう思っていることなのでした。
けれど、こんなにも愚劣非道なる手口を、よくよく心得えてもいたリリアは、
名誉が地に堕ちるほど蔑まれたとしても、決して軽々しく口車に乗るべきではない事を心がけていたのです。〕