≪二節;“死”への誘(いざな)い≫

 

 

〔かくて―――“死への階段”たる大宴会は催されました・・・

 

そして、最初の犠牲者である者が、執行人の案内により誘(いざな)われ・・・〕

 

 

ヨ:なんだよ―――どうしたんだい。

  私をこんなところに呼び出すなんてサ。

 

ヒ:(もじ・・)・・・あの―――アタイなんだか変な気持ちになって・・・(もじ・・)

  もし―――ヨキ様でさえよければ・・・アタイを・・・

 

ヨ:おや―――おやおやおや、なんだい、そういうことだったのかい。

  奇遇だねぇ〜私もどちらかといえば、あんたのことを目にかけてやっていたんだよ。

 

  さぁ―――こっちにおいで・・・たっぷりと、可愛がってあげるよ・・・

 

 

〔“女”が“女”を愛でる―――つまるところの同性愛者でもあった女は、

自分が謀(たばか)られているとも知らず、宴会場より程なく離れた茂みへと誘(いざな)われてしまったのです。

 

そう―――他人を謀(たばか)る事はあっても、いざ自分が謀(たばか)られるとなるといかがなものか・・・

それは、哀れなる女がそうであったように、明確ではなかったではないでしょうか―――・・・

 

そして今―――口唇と口唇があわさったかと思った、次の瞬間―――!!〕

 

ず・・・         ぐ・・・!

 

ヨ:う・・・ぐ! ぐぉおおっ?!!

 

ピシュウッ―――――

 

ヨ:(あ・・・兄サマ―――こ、声が〜?!!)

  う゛・・・ぐ、ごがあぁぁ〜〜――――っ!!

 

ヒ:あんた・・・アタイを目にかけてくれてたのかい―――

  アタイも同じだよ・・・

  今日の―――この日をどんなに待ったか、一度たりとも忘れた事などなかったさ・・・

 

ヨ:(う・・・背後(うし)ろ? すると・・・これは空蝉―――!!)

  う゛を゛ぉ゛お゛お゛お゛―――!!

 

ヒ:どうだい―――アタイの忍術、誰がお前みたいなヤツなんかと、穢れた事をしなくちゃならないんだい!

 

ヨ:うぐ・・・ぐうぅぅ―――・・・・(・・・コト)

 

ヒ:(やっと事切れたか―――)よし、あとは・・・

 

 

〔目をかけてやっているヒヅメを下にし、上から覆い被さるようにして口唇を這わせようとするヨキ・・・

 

でもそれは、これからなすることで、声を出させないようにする手立てでもありました、

そうとも知らず、身代わり用の傀儡と口唇を這わせてしまったヨキは、

腹に刃を突き立てられても、叫び声の一つも上げられなかったのです。

 

(あまつさ)え次の瞬間には、本当に声を立てられないように咽喉笛を掻き切られ、

ですが・・・それも、背後から―――??

 

そのことに疑問を感じたヨキが背後(うし)ろを振り向くと、そこにはなんとヒヅメの姿が―――

 

このときようやくにして自分が謀(たばか)られたことを思い知ったヨキは・・・

ですがしかし―――もう既に致死量の血が流れ出ていたため、

女は・・・そこでナニが出来るでもなく、あえない最期を遂げてしまったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

>>