≪三節;“西”よりの来訪≫
〔しかし―――これらは、総てあることの時間稼ぎ・・・
そう、今まさに、この“下準備”と同時進行で、あることが行われていたのです。
それこそは―――・・・〕
兵:ラージャ方面より、二つの騎影を確認いたしました。
タ:―――よし、通してくれ・・・
〔ラージャに近い砦・・・ザハトムンスクに、ラージャ方面から煙を上げて来る、二つの騎影があり―――
然して、その二つの騎影こそは・・・〕
ノ:―――それがしは、ラージャ国・若年寄・ノブシゲ=弾正=タイラーと申す。
チ:同じく―――手前は、ラージャ国・大目付・チカラ=左近=シノーラと申し上げる。
〔ノブシゲとチカラ―――ラージャでも重臣中の重臣であり、実力派でもある二人が、
フ国の砦を訪れたという、真の意図とは・・・〕
ノ:おう―――タケル、お前からの要請ということですっ飛んできたぞ。
それで、話し合おう―――というのは何だ。
タ:まあ待て―――将軍様、こちらの二人です。
婀:うむ―――
ノ:(これが・・・噂には聞いていたが―――)
チ:(よもや本当だとは―――)
〔フ国の砦、ザハトムンスクにて会した五人―――
しかも、そのうちの二名は、現役のラージャの将官であり、
その二人が息を呑まざるを得なかったのも、
ヴェルノアの公主―――に、よく似ているフ国の将軍様・・・に、だったのです。〕