≪三節;焦燥感≫
〔それは―――愕然とする光景でありました・・・。〕
ア:そんな・・・っ―――なぜ・・・なぜこれ以上出力が上がらないんだ!!
〔“古(いにし)えの皇”は、最後の手段として、あることを試みようとしたのですが・・・
どうしたことか、思うようにはいかず―――〕
ア:どうしてしまったんだ!シャクラディア・・・!!
私の・・・私の呼びかけに応えて―――
へ:・・・やはり、私どものコード、<シリウス>だけでは足らなかったのでは・・・
ア:いや―――そんなことはない・・・
お前たちのコードだけで回路はオープンになるはず・・・
なのに――――
ソ:―――あっ!大変です!!
へ:どうしたんだ!ソシアル!!
ソ:今・・・心肺停止を―――人事不省に陥りました!!
へ:なんだと・・・
いかん―――心肺蘇生法を・・・優先事項だ!一刻を争うぞ!!
〔リニュオン・ユニゾン―――高位霊的存在なる者が、一時的に存在意義を分け与えることにより、
時の勇者や英雄を、その死から逃れさせてきた術(すべ)・・・
“換魂の法”の一種だともされている。
それは―――自身を犠牲にしても、この国の王の生を繋ぎ止めようとした“古(いにし)えの皇”の最後の手段・・・
そのために、過去には自分の主治医でもあった者達のコード(認識票)を借り、
自身の力の源である<シャクラディア>の回路を開こうとしたのですが―――
これがどうたことか、こちらからの要請に<シャクラディア>のほうは応えることはなく―――
すると、まもなくしてヒョウの容態が一気に悪い方向・・・心肺停止による人事不省に陥ってしまったのです。
それではどうして、<シャクラディア>は、マスターからの呼びかけに応えることはなかったのでしょうか・・・
―――実はこのとき、<シャクラディア>においては、ゼシカが定期的な総点検を実施しており、
マニュアルに従って、一時的に<シャクラディア>の全機能を全面的にカットしていたことが、
後日になって判明したのです。
しかも、間の悪いことに、女禍もゼシカも、お互いのことを知らなかった―――
悪い機には、悪いことが重なるもので、
あと少しで―――・・・手遅れになるところだったのです。
そう・・・あと少しで―――・・・
結果を先に述べてしまうと、ヒョウは一命を取り留めることが出来たのですが、
では、この絶望的な現況から、どのようにして助かったというのでしょうか・・・〕