≪五節;ウェオブリよりの早馬≫
〔―――それはそうと、婀陀那の婚約発表の時分より、
ならばこちらも〜〜―――と、ある場所に早馬を走らせたところ・・・
今回フ国より早馬の到達したところは、ハイネスブルグのエルランド―――
そう、この場所に早馬を飛ばさせた者こそ・・・〕
リ:あっ! これ、イセリアからの伝書だわ?!
え〜と・・・ナニナニ―――
――公主アダナ コンヤクハッピョウ ヲ スル――
リ:公主婀陀那・・・婚約発表を―――するぅ??
ちょっ・・・何の冗談なのよ!これぇ!!
セ:・・・つまり―――これは、
ここにいる私たちに、一度ウェオブリまで来い・・・ってことじゃないかしら。
ギ:―――なんだ、どうしたんだ、一体。
セ:ああ・・・ちょっとこれを見てくれない―――
ギ:どれどれ・・・ほぉう―――
ミ:ヴェルノアの公主である婀陀那様が、ご成婚を・・・おめでたいことではありませんか。
リ:ん、もぅ〜〜! ちっともおめでたくなんかないわよっ―――!!
一体誰が〜〜私の婀陀那様を・・・・
ギ:おいおい・・・無茶云うなよ―――リリア殿。
リ:何でようッ―――!(ぷりぷり)
もぉぉ〜〜信じらんない! 今からウェオブリへ行くわよっ―――!!?
〔リリアは、例え同性であっても、ヴェルノアの公主である婀陀那のことを慕っていました。
それこそは、もう尋常ならざる入れ込みようで、そのことで過去にはトラブルの一因ともなったこともあるのですが・・・
そのことは、逆に薬となるどころか、彼の方に対しての敬意の念を膨らませる結果となりえ、
今回の不当なことをなする者に対して、激しい憤りを感じていたのです。〕