≪二節;便乗≫

 

 

〔その一方で、城の別室では、イセリアの思惑でもある、彼女の建策が述べられていました。〕

 

 

婀:ほほう―――すると、そなたたちもこの機に乗じて、 婚約 をなすると申すのか。

 

イ:―――はい。

  それをすることにより、東方の憂いも、少なからず解消するものと思われますから。

 

セ:・・・でも―――そうなっちゃうと、一人余りが・・・

 

リ:〜〜―――。(む゛っすぅ〜#)

 

タ:まあ〜〜・・・リリア殿、残り物には福がある―――と、ワシの故国では・・・

 

リ:―――放っといて下さいっ!!#

 

――〜バタン!☆〜――

 

イ:あらあら―――・・・

 

タ:・・・申し訳ない―――

 

セ:先生・・・もう少し気を遣った云い方を―――

タ:―――申し訳ない!!

 

 

〔イセリアの建策とは、端的に述べると、今回のタケルと婀陀那の婚約に便乗して、

自分たち―――・・・とりわけ、ここ最近一緒にいるクーナの二人と、

“雪月花”のいづれかが婚約をするというものだったのです。

 

けれども、今のやり取りを見ても判るように、どうやら割を食らったのは“月”のリリアだけ―――と、いう結果に、

ついぞリリアも我慢ならず、席を立ち、荒々しく扉を閉めて部屋から出てしまったのです。

 

でも・・・それは、タケルの慰めにも一因はあったようですが―――・・・

 

それにしても、残るあとの“雪”と“花”の二人は、どちらと結ばれるのでしょうか・・・〕

 

 

婀:ほぉう―――イセリア殿はギルダス殿と・・・それはまたなぜに。

イ:“なぜ”―――と云われましても・・・

  どうやら私たちは、不思議と水が合いますようで・・・

  これまた“縁”のなせる業かと思います。

 

セ:ふぅ〜ん・・・それにしても、本当にそれだけなの―――?

イ:・・・本当です―――(しれっと)

 

セ:(なんかウソ臭いんだよね・・・。)

 

婀:そう云われるセシル殿は―――ミルディン殿でよいのですかな。

セ:えっ? ええ〜・・・まあ―――

  先生が婀陀那様と〜だったら、私のほうも諦めがつきますし、

  ミルディンさんのほうも、意外と頼りに・・・

 

イ:・・・妥協する“愛”は、長続きしませんわよ〜〜―――

セ:う゛にゅっ・・・

 

イ:・・・あんなことを云っておきながら、本当は納得できていないんではないですの〜〜―――

セ:・・・いっ、イセリア―――! あんたねぇ〜〜!!#

 

イ:・・・ほらほら〜“地金”が剥がれてまいりましたよ〜〜―――

セ:むっきぃい〜っ!# この口か―――!この口が云うんですか!!#

 

婀:(イセリア殿・・・なにもそこで―――しかも、仲間内にスキルの発動をしなくとも・・・)

 

 

〔それは・・・予測通り、“雪”のイセリアはギルダスと、“花”のセシルはミルディンと―――

しかも、この内訳も籤などではなく、お互いの直感にて選んだ・・・と、云うのが妥当のようです。

 

ところが―――このとき不意に発動してしまったイセリアのスキル・・・“肚の探りあい”。

このことを、もちろんイセリアの、古くからの仲間であるセシルは知っていたのですが、

なんとも云いようのない感情の表れに、そこにいた誰もが、苦笑しかねないことだったようです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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