<第八十四章;パラ・イソ>

 

≪一節;壮大なる宣言の後で≫

 

 

〔新たなる国の統治者が、太古の“皇国”にも負けないような国造りをするとの宣言を述べられた後、

今回の慶賀の祝詞を受けるべく、玉座のある部屋へと向かおうとするとき・・・〕

 

 

ア:これで―――ようやく・・・するべきことの第一段階は済んだな。

タ:そうですな―――これからが大変になって参ります。

  新たなる国家を築き上げるということは、それに伴う新たなる法令の制定・・・

 

婀:それに―――官吏の制度も改めねば・・・な。

 

ア:あっ・・・婀陀那さん―――

 

婀:妾も―――ホウ殿やヒョウ殿・・・それに親父殿が成し得られなかった偉業を。

  しかとこの眼にて、確かめさせていただきますぞ。

 

ア:これは手厳しい―――精々(せいぜい)君たち二人には、愛想を尽かされないよう努力するとするよ。

 

 

〔アヱカが、建国の憲章を宣言したバルコニーから、玉座の間に至るまでに一人の人物と合流しました。

その人物とは、アヱカの宣言を来賓と同じ立場で聞き入っているはずの、婀陀那だったのです。

 

けれども、確かに “ヴェルノア公国の公主様” は、来賓の中にはいたのですが・・・

実を云うと、婀陀那本人は、夫であるタケルと共に、ここ数週の間はシャクラディアに逗留をして、

新たなる国家の礎ともなる、下準備をしていたのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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