≪五節;覚醒(めざ)め始めた存在(壱)≫
ジ:な・・・なにを―――何を莫迦なことを云っているんだイセリア・・・。
ボクを―――君までボクにこんな仕打ちをするだなんて・・・。
君だけは、ボクのことを判ってくれてたじゃないか!
ボクのことを・・・本当に愛していたからこそ、ボクのことを庇ってくれていたんじゃないのか・・・?
それとも・・・君は―――・・・
イ:云わないで―――!ジュヌーン!!
もう・・・あなたへの愛は〜・・・
ジ:そんな―――・・・
・・・誰なんだい―――ボクのイセリアを、ボクの手から奪おうとするヤツは・・・
イ:ジュヌーン・・・? あなた―――何をしようと・・・
ジ:赦さない・・・ボクはそいつのコトを赦せるはずもない・・・・
なぜならば・・・イセリアは永遠にボクのものなんだからね―――
イ:あぁ・・・ジュヌーン―――間違ってる・・・あなた、間違っているわ!!
〔そのやり取りは、傍から見れば男女の別離(わか)れ話がもつれてしまったもの―――
・・・と、そう捉えられなくもなかったことでしょう。
けれども、それは、そのこと以上に深刻な問題であったわけであり―――
それはこちらのほうでも―――・・・
女皇が急いでいては、何事かあったのだろうか―――と、周囲(まわ)りの者達に気付かれることとなり、
そのことが一大事件ともなってしまう危険性を、十分に孕んでいることを承知していたことから、
慎重に―――かつ、急ぐ気持ちで、回廊をその事象が認められている場所まで移動をする女皇。
そして・・・中庭に面した場所にたどり着いたとき・・・・
自らの佩剣を抜き、何者かと指し向き合っているイセリアの姿が・・・
それを見た女皇は―――・・・〕
ア:イセリアさん―――! そこで何―――――を・・・
・・・―――そこで、なにをなさっているのです・・・。
イ:(はっ――!)女皇・・・アヱカ様―――!
〔女皇が、何かを云いかけようとしたとき、また先ほどと同じようなことを問い掛け直しました。
しかし―――その表情は、尋常ではなかった・・・と、現場に居合わせた者は語ったのです。〕