≪五節;憮然≫
〔ところが―――ここで思ってもいなかった救いの手が・・・
それがなんと、自分達の仲間の一人でもある、ビューネイ(ベェンダー)だったのです。
彼も、当初は彼らの愚行を見るに及び、冷や汗が背中を伝っていたのですが、
<危機のときこそ好機あり>―――の、喩え通りいい知恵が浮かび、
したり顔で“古(いにし)えの丞相”がこちら側に付いたことの利を述べていたのです。
それからというものは―――・・・〕
シ:いんやぁ〜〜―――災難だったねぇ、デルフィーネちゃん。
ジ:・・・・・・・・・・。
シ:―――あり? ひょっとして怒ってる??
ジ:〜っつたり前でしょう!
あんな下衆外道以下の連中に、この頭を下げるだけでも我慢の限界だったのに・・・
臭っさい足で、私の頭を蹴飛ばしやがったのはどこのどいつ?!#
シ:まあ〜まあ〜〜そこをベェンダーが、旨く取り繕ってくれたんだからさぁ〜。
ジ:・・・そうですわね―――あいつも、ちったぁ以前よりかは成長しているようだしぃ・・・
シ:ほ・・・。(や〜れやれ―――手間のかかるったら・・・)
ジ:と〜こ〜ろ〜で―――私の頭を蹴飛ばしたヤツは誰なのよ!#
このお礼は、きちんと数倍にして返してあげないとね゛っ!##
シ:はあぁ〜〜・・・・(ヤレヤレ〜―――ほんと、手間のかかるったら・・・)
〔憎いヤツらに、この頭を下げるだけでも我慢の限度だったのに、そこを彼らは蹴飛ばしてきた―――
実は、もうそこで彼ら全員(シホ・ビューネイ除く)の命はなかったのです。
けれどそこを、ビューネイ(ベェンダー)が機転を利かし、何とか間を取り持ってくれた・・・
そんな彼の言葉を聴いた瞬間、ジィルガは溜飲を下げ、
彼らをどうにかするのは、あとにまわすことにしたのです。〕