≪四節;気にはなっていた理由≫
〔―――閑話休題・・・
けれども、“皇”であった方は知っていました―――
キリエもサヤも、血塗られた道を歩んでいても、彼女たちを養っていた者の教え・・・
=人間を愛すること=
それは忘れてはいない―――と・・・
つまりアヱカが、サヤたちのいる国民食堂を訪れたのも、
単なる偶然ではなく、じかに彼女たちに会うことにより、
試験を受けなかった理由を訊くためだけに訪れたことが、判ってくるのです。
―――それにしても・・・〕
ア:(・・・どうやら、サヤが今回の試験を受けたがらなかったのも、そういう理由があったからなのか―――)
:>あの―――・・・女禍様、それはどういうことでしょう。<
女:>ああ―――いや・・・なに、アヱカ、君も今のサヤの理由を聞いて判るように、
元は私の配下でもあった彼女が、今回の適正試験を受けなかった理由がはっきりとしたんだよ。<
ア:>・・・と、云いますと―――?<
女:>サヤは“ヴァンパイア”であり、キリエは“ハイランダー”―――・・・
いわゆる、両者とも人間ではない・・・
それに、君も小耳に挟んだことぐらいはあるだろう―――キリエの、ある噂を・・・<
ア:>ああ・・・そういえば、あの方―――<
女:>確かにね―――人知れず、人間の側に加担はしていても、
自分を人間だと信じている人間の前で、全く違う種族に変貌してごらん・・・
その人がよほど寛容ではない限り、そうなってしまうのがごく自然なんだよ・・・。<
ア:>・・・さぞや、お辛いことでしたでしょうに―――<