≪第四節;私的諜報集団 ――『禽』(きん)――≫

 

 

〔そして――― 旧知の友を見送った男は―――・・・ふと、空を見上げ。〕

 

 

タ:(ふむぅ)雲の流れが・・・・速い。

  まるで、激動の、今の世を暗示しているかのようだ・・・・・。

 

  ―――・・・鵺(ぬえ)

 

ユ:(ピクッ――!)・・・・・はい。

 

タ:すまないが――― これより、かの地にいるお前達の頭、『梟』(きょう)につなぎを取り、

  至急、巣に戻ってくるように、伝えてくれないか。

 

ユ:お頭―――・・・に、ですか。

タ:うむ。

 

ユ:分かりました――― では、他の者は、いかがいたしましょうか。

タ:とりあえずはよい、今はあいつを呼び戻す事が先決だ、よろしく頼む。

 

ユ:かしこまりました―――

 

 

〔彼女の・・・この家のお手伝いかと思われた、女性の名はユミエ。

でも――― 今、タケルが別の名で呼んでも、彼女は反応したのです、そう・・・・『鵺』(ぬえ)という名に。

 

実は、この二ツ名は、彼女のもう一つの名であり、どうやらこのユミエの他にも、まだ仲間が存在しているようなのです。

―――が、今は取り分けて、彼女の仲間の長であるという、『梟』(きょう)に、連絡(つな)ぎを取るようです。

 

 

そして―――― 鵺こと、ユミエが足を向かわせた先が・・・なんと、夜ノ街だったのです。

(だ・・・と、すると、もう既に、この街の中に、彼女の仲間のトップが、潜り込んでいるのでしょうか)

 

その一方―――― こちら、ギルドでは・・・〕

 

 

ナ:オツカれ――――様・・と。

  いやぁ〜大盛況でしたね。

 

紫:そうですね、皆喜んでお代わりしてくれて―――・・・

ア:(うふふ・・・)ええ、本当に・・・。

  ああ喜んでいただけるなら、わたくしのやり様も、ムダではなかった―――と、こう思います。

 

コ:そんなこと―――・・・ないです。

  お蔭でアタシ、お代わりしすぎて、お腹が一杯になっちゃいました。

 

乃:あたちも―――・・・(けぷ)

 

 

ア:まあっ――― この子達ったら、お上手言って・・・

 

コ:えへへ―――・・・(ぽ

乃:えへへ―――・・・(ぽ

 

ナ:あはは! この子達、真っ赤になってら――

紫:(うふ可愛い

  それにしても―――乃亜ちゃんは、お姉ちゃんにベッタリなのね。

 

乃:みぅ・・・・。

 

ア:甘えん坊さん・・・・なのよね?

乃:みぅ!(ぽ

 

 

キ:はいはい・・・ご苦労様でした。

ア:あっ――― キリエさん、どうもありがとうにございます。

あなた様が加わり、台所を仕切っていただけたお蔭で、料理のほうも実にスムーズにお出しする事ができまして・・・・

 

皆に成り代わり、篤くお礼のほう――― 申し上げさせていただきます。(ペコリ)

 

キ:いえいえ――― このババめも、生きておるうちに、何か善い事をしとかないと、

一体何のために、この世に生まれてきたのか・・・分かりませんからねぇ。

 

これで・・・いよいよ、いつ死んでも報われる―――と、言う事ですよ。

 

ナ:おいおい――― 縁起でもない話だよ? 婆さん。

紫:そうですよ――― ご老体には、まだまだ長生きしてもらって、我々若輩者に、生きる術を教えていただきませんと―――

キ:おや―――・・・言ってくれるじゃあないかね。

  これじゃあ、すぐおッ死ぬワケにも、行かなくなっちまった・・・って事かい?

 

ナ:つ・ま・り――― そぉゆうコト・・・だね?

 

―――あっはっは―――

 

キ:さてと――― それじゃあ、あと残るは・・・・後片付けだけだね?

 

ナ:あっ――! そ〜〜――だった。(ポむ〜☆)

  そういやアタシ、明日の朝一で、アイテムの真贋つける約束があったんだったよ―――・・・

  というわけで・・・・お先ッ―――!

 

紫:あ・・・そうそう、私もこれから、終わったコトの報告を、婀陀那様にしなければ―――・・・

  と、言う事で・・・。

 

コ:お―――・・・大人・・・って。

乃:ずるい。

 

 

キ:あっ! こらっ! ちょっと?!!

  はあぁ〜〜――― 全く・・・なんて子達だい、一番面倒な事、年寄りに押し付ける・・・・だ、なんて。

 

ア:いえ――― 大丈夫でございますよ。

  若干ではございますが、有志のほうは残っております。

 

キ:えっ?!! ―――・・・と、申されましてもねぇぇ・・・。

  あなた様と、このおチビちゃん達にさせる――― だ、なんて・・・あたしゃどうにも――――

 

ア:いえ・・・これの元々の発案は、わたくしでございます。

  それに、当然このような事態に陥ってしまう事は、承知の上でしたし・・・・

 

キ:そうですか――― いや、申し訳・・・・ないねぇ。

ア:いえ―――どういたしまして。

 

 

〔そして――― 老女は思うのでした。

皆の避けて通っていく事を、イヤな顔一つせず―――・・・いえ、自らが進んでこなしてしまうこの方こそ、

今世(こんよ)の現人神(あらひとがみ)たらん事よ―――・・・と。

 

それであるがゆえに、コみゅと乃亜の二人も、実情をよく知りえている事もあり、

何も言わずに、後片付けのお手伝いをしたということです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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