<第一章;“彼方”より飛来せし者>
≪一節;“フロンティア”からの使者≫
〔それは―――・・・『XANADO』本篇より、遡る事・・・およそ100万年前・・・
この惑星(ほし)が、かつて使用していた“暦”『西暦20xx年』での出来事です・・・。
この―――“蒼き”美しき天体を臨むように、その宙域に漂う一隻の 艦<シップ> ・・・。
その艦の名は・・・
=シャンバラ=
桃 源 郷
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そして―――この艦橋<ブリッジ>に、おそらくこのシップの持ち主らしき人物が・・・〕
艦:(艦長;性別は女性・・・小豆色の髪に瑠璃色の眸が印象的な人)
(ふぅ・・・)ようやく―――着いたか・・・。
思えば、遠くまで来たものだ・・。
乗:艦長―――この星系の、第三惑星に、あと15フェイト・・・
現地時間にして、約三時間で到着の模様です。
艦:うん、分かっている・・・。
我等の旅団『フロンティア』の目的地が、私たちの理念に叶っていると良いのだけれど・・・
〔その―――艦長(=シップの持ち主)と呼ばれた人物・・・は、どうやら女性のようです。
その彼女の特徴は、小豆色の髪の毛と、瑠璃色の眸・・・を、した“麗しの人”。
それに―――“宙域を漂っている”・・・とは、
どこかしら、別の宇宙から飛来してきた<宇宙船>のようです・・・。
そして、そんな彼女達の“目的”とは、この女艦長の所属している“旅団”<フロンティア>―――
その名がまさに示すように、この惑星(ほし)に<入植>することが主観としてあるようです。
すると―――間もなくして・・・〕
~――>ピピィ―――ッ<――~
乗:先ほど放っておいた、スキャン・サテライトよりの報告です・・・
どうやら、大気成分・地質成分・水質成分・・・ともに申し分ありません、オールクリアです。
乗:おぉ~~―――っ!
乗:やったぁ―――!
乗:と・・・とうとう我等の望んでいた地が・・・
乗:おめでとうございます―――艦長!!
艦:・・・・いや、喜ぶのはまだ早いよ―――
ところで、文明レベルは、どの域まで到達している?
乗:はい―――・・・サテライトからの情報によりますと・・・
≪Lv.3・初期段階≫のようです。
艦:―――なに? そんなに低いのか?!
副:(副官;この艦長の補佐をする人、斯くも温厚な人物)
いえ―――程度の問題でしょう・・・。
届いた映像を見る限りでは、情報網も発達し、科学も発展はしているようです。
――――が・・・
艦:おそらくの要因としては、“争い”が絶えない・・・
そういうことなのか、ハミルトン副官。
ハ:(ハミルトン;上記の副官)
はい・・・。
艦:(ふぅ~~む・・・)・・・・姉さんたちとのランデヴー時間には、まだ余裕があるね?
ハ:はい―――ですが・・・たった今、入った情報によりますと、あの方の艦が交戦状態に入ったようでして・・・
艦:(交戦??)・・・ステラバスター<宇宙海賊>共か?
ハ:そんな生易しい連中ではありません。
スペースギャング・・・いうなれば『追い剥ぎ』連中ですよ。
艦:――――そうか・・・・。
可哀想に・・・。
ハ:――――ですな・・・。
宇宙で“一・二”を争う最強艦の一つ=ソレイユ=に当たったとあっては・・・
乗:――――ソレイユからの交信、途絶えました!
艦:なに―――?
ハ:・・・おそらく、無線封鎖をしているのでしょう。
連中の一隻をわざと逃がし、本隊と合流したところを本格的に叩く―――・・・
あの方の“いつも”の戦法です・・・。
艦:(ますますもって可哀想に―――・・・)
おそらく―――“難民船”を装っておいて、威嚇射撃を受けた際に防護のための隔壁が崩壊・・・
ハ:藪を突付いたら、“蛇”ではなく―――“虎”が出てきた気分でしょうなぁ~~その連中。
艦:まあ―――ナニにおいても、美味しい話はその辺に転がっていない・・・と、いう、いい教訓になっただろう。(ははは・・・)
〔その・・・“蒼き”美しき天体こそ、≪太陽系・第三惑星≫『地球』・・・・。
そう―――彼らが宙空にて臨んでいた惑星(ほし)こそ、私たちが息づいている『地球』・・・だったのです。〕