≪三節;その女―――“凶暴”に、つき・・・≫

 

 

〔さても―――シャンバラの艦長・女禍が、地上に降下するべく準備をしていたのと同じ頃・・・

 

―――こちら、別の宙域で、スペースギャング“バンディッド”と、戦闘を繰り広げていたところでは・・・〕

 

 

艦:――――弑(や)っておしまい〜(ニャ)

 

乗:陽子砲全門展開――― 発射――――ッ!!

 

副:(副官;この艦『ソレイユ』の副官を務める、斯くもこの人の(宇宙で二番目に)不幸な事は、

  この艦の艦長に魅入られてしまった事にあるだろう―――)

  いやはや・・・しかし、いつもながら、同情の念に堪えませんなぁ―――

 

艦:(フ・・・)あぁ〜ら、でも―――向こうからケンカ吹っかけてきた事なんだしぃ〜〜?

  仕様がないことじゃないかしら―――そうでしょう、ローファル。

 

ロ:(ローファル;上記の幸薄い副官)

  あははは――――・・・(はぁ・・・)

 

乗:敵船団より、降伏のための打電が届きましたが、いかが致しましょう。

 

艦:―――――・・・。

ロ:あ・・・あのぉ〜〜艦長?

 

艦:ダメよ―――この・・・美しく可愛らしい私のソレイユに、傷を負わせてくれたんだから、

  赦しておけるはずもない―――当然でしょ〜う?(ニタ〜リ)

 

ロ:・・・“傷”―――ですか・・・

  おい、どの程度の損傷なのだ。

 

乗:はあ―――“軽度”とはいえ、真に 微々 たるものでして・・・

  例えば、航行中に、シールドを展開していないときに、ぶつかってきたりする、小隕石の〜〜とか―――・・・

 

ロ:・・・だろうな―――

  しかし、あの連中も、自分の不運を嘆くしかないだろうな・・・。

 

乗:(はは・・・)まったくです―――

 

乗:敵船団の残りの一隻―――今、撃沈を確認いたしました。

 

艦:うんっ―――!重畳〜♪

 

 

〔この宙域を、一隻の難民船(全長20km)が航行中―――

それを狙うべく海賊船団が威嚇射撃を行ったところ、弾道は難民船を大きく外れたのに・・・

それであるにもかかわらず、やがて空間にひび割れが生じ、そこから姿を現したのは―――・・・

 

全長が12,795kmもあるという、超巨大戦艦『ソレイユ』・・・

しかも、その持ち主(=艦長)というのが、この手法でいくつもの宇宙海賊共を折伏させてきた・・・と、いう、

彼らの間では、ちょっと名の知れた人物だったのです。

 

では・・・気になるその艦『ソレイユ』の艦長の容貌は・・・

蒼き長髪をたなびかせた・・・そして、彼女の妹と同じく、瑠璃色の眸―――

その人物こそ―――〕

 

 

ジ:(ジィルガ=エスペラント=デルフィーネ;“本篇”での、≪丞相≫であり、女禍様の実の『姉』。)

  さぁ〜〜て、と・・・こっちの仕事も一段落して、あの子に会うときの手土産も出来たことだし、

  ランデヴー地点まで急ぐとしましょうか〜♪

 

 

〔不意に襲った船が・・・実は海賊内でも“要注意”“警戒”しておかなければならないモノだと知ったとき、

彼らは逃げるよりも、まづ、降伏する旨を打電し続けていた―――のにもかかわらず、

ジィルガはそれを無視し続け、たった一匹のウサギにも、その全力を尽くすと言う、獅子の如く襲い掛かっていたのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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