≪四節;何も知らない者≫
〔しかし―――ブリジットの それ を妨げようとする一声が・・・〕
ラ:―――ダメですよ・・・。
ブ:(はっ!)・・・・なんだと―――
ラ:この方は―――あなたの事を心配して、これ以上関与はするな・・・と、云ってくれているの。
ここは、『何も知らない』あなたの出る幕ではないわ。
ブ:なんだと――――!!?(何も・・・知らない??)
女:これ―――ラゼッタ・・・
ラ:・・・・・。
】私も―――これだけは言わせていただきます。
この人は偶然にも私たちが≪テレポート≫をするところを見てしまったのでしょう・・・。
それで私たちが何者か―――と、いうのを疑っているのかもしれません、
それは言葉の端々や態度にもそういうのが垣間見れますから・・・
ですから、あなた様もこれから先は手を引くように―――と、申されていたはず・・・【
女:】し―――しかし・・・【
ラ:】・・・差し出がましいのは判っています。
ですが、この私ですら、故郷の惑星であなた様に助けられたときには、我が目を疑いましたから・・・【
女:】・・・ラゼッタ―――【
〔でも、その声こそラゼッタなのですが、明らかにその場で一番の年少である彼女に、
『あなたの出る幕ではない』などの不適切なことを云われ、ブリジットは少しばかり感情的になってしまったようです。
それを察したのか、女禍がラゼッタをたしなめようとするのですが・・・
彼女たちは、未だブリジットには話していない・・・つまるところの自分たちの本音の部分をその場で話し合っていたのです。
ですが―――・・・〕
ブ:(な・・・なにを話し合っているんだ、彼女たちは・・・
英語ではない―――仏語?独語??露語?? イヤ・・・もしかするとアフリカの原住民族の・・・??
まるで判らない―――それに、発音の仕方がまるで・・・・)
〔そこにいたブリジットだけがその会話を聞き取れませんでした・・・。
主要五カ国語<英仏独露伊>に堪能であり、東洋の三カ国<日韓中>までも自分の意のままに操れる彼女が・・・
しかし、それは当然だったのです。
それというのも、今―――女禍とラゼッタが口ずさんでいた言語こそ、『銀河標準語』というモノだったのだから。
つまり・・・哀しいかな、ブリジットはそこでは完全な『蚊帳の外』だったのです。〕