≪二節;先んじて来ていた存在たち≫

 

 

〔それから程なくして―――ブリジットたちは揺られながらも自分たちの屋敷へと戻ってきたのでした。

ですが―――そこには・・・!!?〕

 

 

ラ:〜〜―――はい、ご到着・・・

 

ブ:な―――何とかついた・・・な。

セ:はあ・・・ですが、悠然たる大空の旅でございました―――

 

ブ:・・・ヲイ、セバスチャン、今我々の身に降りかからんとしているミステリアスなことを、

  なにげにスルーしようとするなよ・・・。

セ:〜〜―――とはいいましても・・・大空を旅するのは、この老骨の若き時よりの夢で御座いますれば。

 

ブ:ヤレヤレ―――・・・(はぁ・・・)

  (これからお父上の葬儀があるから、驚いてもいられないというのに・・・)

 

 

ラ:いかがでしたか―――大空の旅は。(ニ・・)

 

ブ:・・・快適でしたよ―――ファーストクラス・・・と、まではいかないまでもね。

 

ラ:本当ですか?(きゃ〜

  本当でしたら、マッハ・1で飛行してもよかったんですけども、

  『この惑星の科学の度合いも少しは考えろ』〜って、上からも言われてまして。

 

ブ:は―――・・・マ、マッハ・・・(音速? 窓なしの状態では死ぬわい・・・)

 

ラ:では、あなたのお屋敷へと参りましょ〜♪

ブ:(・・・なんだか、とんでもないのに好かれたっぽい?)

 

 

〔“現実主義者”のブリジットは、『父の死』という現実があるため、

例え現実でも、空想マガイの事を信じる気にはなれませんでした。

 

―――が、一方のセバスチャンは、長年の夢がかなったり・・・で、未だ夢見心地の様子。

 

それを聞いたブリジットは、反応冷ややかなのですが、自分たちを運んできたラゼッタが、この大空の旅の感想を聞いてきたとき、

少しは皮肉を言ってはみたものの、ラゼッタにはそれすら通用しなかったようです。

 

 

それから―――いざブリジットの屋敷に上がってみると、そこには哀しいまでの現実・・・

実父の遺体が納められた棺―――深くも哀しみに包まれた重々しい空気・・・・

―――に、なっているものと思いきや??!〕

 

 

ブ:(お父上―――あなたのご無念は・・・

・・・・ん? 見慣れない女性だな―――それも、異様に髪の蒼い・・・)

 

ラ:(んゲッ―――! あ・・・あの方は〜〜―――)

 

誰:オ――――ッホッホッホ♪ そぉなんですのよ〜〜・・・でね?

  あら・・・来たようね―――

 

誰:(ど〜〜―――こで道草喰ってたんだか・・・)

 

 

〔確かに―――今、自分の屋敷には、喪服を着た者達が多く詰め掛け、ブリジットの父の葬儀の段取りをしていたようなのですが・・・

ふと一角を見てみれば、今まで自分が見たこともないほどの蒼い髪をたなびかせた女性が―――・・・

来た客来る客を捕まえては談笑をしていたのです。

 

すると―――件の御仁は、たった今帰宅したばかりのブリジットに気づいたようで・・・〕

 

 

ジ:おッ―――はろ〜〜 当家のご当主であられるブリジット殿ですよねぇ〜?

 

ブ:えっ――? は、はあ・・・ですが、確か私たちは初見識なのでは・・・

 

ジ:―――あら?あの子から紹介受けてなぁ〜い?

  ンじゃ―――しようがないわね、ここは私自ら・・・

 

ラ:ジ―――ジィルガ様!!? ど・・・どぉ〜してあなた様がこんなところにい??!

 

ブ:(ジィルガ――様・・・それがこの方の・・・)

 

ジ:『どぉ〜して』・・・って、ご挨拶よねぇ〜ラゼッタちゃんわ。

  この家のご当主様のお帰りが遅いのと―――(ウフフん〜あの子が・・・到着するまで―――

  この私が場をもたせておかなくちゃならないでしょう〜?

 

ラ:え゛え゛ッ〜〜―――で、でも・・・それわわ・・・・(ふるふるカタカタ)

 

ジ:それともなぁ〜〜―――に(ずいっ!) この私がここにいちゃイケナイ―――っとでもいうわけぇ。(ずずいっ!!)

 

ラ:(ひぃい゛っ――!)いい・・・いいえ〜―――けけ・・・決してそうわ・・・(半泣き)

  ごご―――ごめんなさぁ〜〜い゛!!

 

 

〔信じられなかった―――あの、勇猛果敢な女性騎士が・・・一人の貴婦人の前で、こんなにも畏れ怯えていたことを・・・

 

でも―――それは無理らしからぬところ・・・何しろこの“貴婦人”こそが、あの女禍の『姉』であり、

別の星域からこの太陽系にたどり着くまでの間、ラゼッタとマグラの二人に、『闘争』の意味を教え―――

いや、骨の髄までしみこませてきた張本人―――・・・

(もう少し判りやすく言い換えるのなら、本作中“二番目”に強いお人。)

 

故に―――今そこで、生まれたばかりの小鹿チックに震えるしかないラゼッタがいたというのも、そのためだったのです。

 

するとそこへ―――・・・〕

 

 

マ:・・・バカだなぁ、ちんたらやっているからそういう目に遭うんだよ。

 

ラ:(ムカ#)ち―――ちんたら・・・ってねえ!

こっちも、スプーンより重いもの持ったことないのに・・・しかも時速50k以上ダメだ―――って云われてたのよお゛〜?(あ゛うあ゛う)

 

マ:泣きながら怒るなよ―――器用だなぁ、本当に・・・

  それに、スプーンより―――って云ってたワリには、あの鉄の塊、軽々と持ち上げてたじゃないか。

 

ラ:な゛・・・なんでずっでェ゛〜? ぶわわぁ〜〜―――ん!!

 

 

ブ:(な―――なんなんだ、この展開・・・)

 

ジ:あらあら―――会う早々喧嘩しちゃうなんて・・・。

  おぅ〜〜―――い、マグラ! 女の子泣かしちゃダメだぞぅ?!!

 

マ:(なぁ〜んでボクの所為に・・・でもなぁ〜〜)はあ〜〜―――い・・・

 

 

〔ラゼッタと―――おそらく同年齢の少年が、彼女のことを揶揄し泣かせてしまったのを、

蒼い髪をした貴婦人は注意を促せたようです。

 

でも、その・・・マグラと呼ばれた少年は、蒼い髪の貴婦人―――ジィルガに云われたことに反発するでもなく、

素直に自分に非があったことを認め、謝ったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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