≪四節;高らかなる歌声―――≫
〔彼らが―――ラゼッタにマグラが・・・この御仁を『師』と仰ぐその一つの理由・・・
しかし、その一面は滅多と見せないため、“愚かなる道化”にも見えなくもないのですが―――・・・
彼女が後世に“マエストロ”とまで呼ばれる、最高にして最大の秘儀が―――
この・・・深い哀しみに包まれた儀場を、一変させてしまう事となるのです―――・・・〕
汝が―――運命を・・・
主の御手に委ねよ・・・
彼は 汝を 支え給わん
―――我、 主の御名をば呼ぶ・・・
彼は 我が声を聞き届け
我に対して進む者から
我を護り給う―――
来たれ 精霊よ
而して空より 汝が御光をば 照らせよ
来たれ 貧しき者等の御父
来たれ 天寵を授くる御方
来たれ 心の光明
こよなき慰め手 優しき魂の賓客
優しき・・・魂の安息所よ・・・
セ:な―――なんと神々しい・・・
ブ:まるで―――『救世主』<メシア>のような・・・
ラ:ジィルガ様―――・・・
マ:お師匠様・・・・
〔その―――調べは・・・まさにこの世の奇蹟・・・
その言霊は、その一つ一つが“癒し”の意を持つそのものであり・・・
そして、その御仁の一言一句のおかげで、現世にて報われなかった御霊(みたま)が・・・
その“業”なる者を祓われ、浄化されていく様相は―――
さながらにして、この惑星に伝わりし『救世主』を彷彿とさせたことでしょう・・・。〕
ブ:あ―――あの・・・あなたは一体??
ジ:(クス・・)いいのよ、ブリジット―――
この秘蹟のおかげで、あなたのお父上も、穢れに堕ちることなく、あの世へと旅立てる事でしょう。
ブ:―――ありがとう・・・ございます・・・。
ジ:(ウフフ)いいのよ―――何しろあなたは大事な・・・あの子の、女禍ちゃんのお友達なんですもの。
そんな人を哀しませるようなコトがあっては・・・ね。
ブ:“女禍”―――(はっ!)まさかあの人の―――!
ジ:(ニコ)私は―――あの子の『姉』なる存在である、ジィルガ=エスペラント=デルフィーネ・・・
今後ともよろしくね、ブリジット=サー・アルフォンヌ=ランカスター殿。
〔しかし―――それは・・・出会ってから初めの約五分くらいの彼女からは、
到底予測だにし得ないものでもありました・・・
なにしろ、自分たちを寸でのところで救った『この惑星では見慣れない装甲服を纏う女性騎士』である少女―――
“ラゼッタ”と呼ばれるこの少女と、同等の口の利き方をする少年―――“マグラ”と呼ばれる少年・・・
その二人をして、萎縮感嘆せしむる存在こそ、女禍の『姉』であるジィルガ―――だったのです。〕