≪五節;招かれざる客≫
〔ですが―――例えそうであるにしても、この邂逅を余所に、またも狼藉を働く者達が・・・
そして、そこで改めて確認をすることとなったのです。
二人の少年少女―――ラゼッタとマグラに、宜しく『闘争』の意味を教えたる者の実力を・・・〕
カラン〜――――カラカラカラ・・・
シュウウゥゥ・・・
セ:ムッ―――あれは・・・催涙ガス!!
ブ:なんだと―――?!!
〔その、神聖なる場所・・・『教会』に、外から飛び込んできた、
明らかにこの荘厳な場所とは不釣合いな金属の固まり・・・
それを見るなり、ブリジットの執事であるセバスチャンは、迷うことなく“招かれざる客”からの、
頼みもしない“贈り物”であるとしたところ―――
間髪を入れず、火薬が連続して爆発する音が・・・〕
ドドドド―――・・・ ドドドド―――・・・
〔その銃撃音は暫らくの間鳴り、催涙ガスと硝煙とで曇った視界が晴れ上がると―――・・・
そこには無残な屍体が転がっている――――はずでした・・・〕
テ:ん――? なんだ・・・あれは・・・
テ:黒い・・・布??
バサッ―――
パラパラ
テ:な・・・ッ!!? じ、銃弾が??
テ:なんだと――あんな黒い布切れ如き、すぐに破れるはずだろう?!!
マ:ヤレヤレ―――無粋な連中だ・・・
今は、亡くなった者の魂を“昇魂”させている最中だというのに・・・
もう少し待てなかったのかな。
ブ:あれは・・・IRAの連中、しかしなぜ―――
セ:お嬢様・・・もしかするとGPSで尾けられていたのでは・・・
ブ:なるほど―――そういうことか・・・
ラ:はぁ〜あ―――格好つけちゃって・・・
ブ:えっ――??
ラ:どうやら―――あの連中がここを嗅ぎ付けて、今の行動に踏み切るまでの時間、すでに割り出していたようなんだけど・・・
自分がいかに強いか―――ってとこを見せびらかせるために、あとのほうに愉しみをとっておこうなんて・・・
(クス)ちょっと―――癪に障るから、お邪魔でもしてあげようかしら。
マ:―――ラゼッタ、聞こえているぞ・・・
ラ:あら―――だって、聞こえるように云ったんだもの。
そうねぇ〜〜―――・・・あの・・・今にも落ちて割れてしまいそうなガラスの破片が、
床に落ちてしまってから〜〜・・・てのはどう?
マ:・・・君と賭けをするつもりはないよ。
こっちは勝手にやらせてもらう。
それに―――もう君は、自分の実力というヤツを見せ付けてきたんだろう?
なら、次はボクの出番じゃないか―――
ラ:云ってくれるじゃなぁい―――
それに・・・私が“実力”を見せ付けてきた・・・ですって?
先程のは―――ホンの小手先調べもいいところよ、出力の半分も出してないし・・・
おかげで腕がうずうずして、困ってきているのよ―――
それに・・・あんたが“勝手”―――というなら、私も勝手に・・・
ス―――ッ・・・
〔そこにいる誰しもが、穿った見解をしていました――――・・・
一見すると“黒い布”のようにしか見えなかった、マグラの纏う『宵闇のローブ』・・・
でもそれは、“鉄”で出来ている銃弾を通さなかったのです。
しかも―――マグラの実力は未知とはいえ、今のラゼッタの口ぶりからすると、
その少年も少女と同等の実力を有している・・・?
剰え―――その二人の“同時参戦”・・・〕