<第十七章;忍び寄る破滅の足音>
≪一節;鬱陶しさ≫
〔彼らの事業拠点、<シャンバラ商会>が立ち上がり、その代表―――理事長に、某国出身のブリジットが収まり、
何もかもが順風満帆に進んでいた頃。
ここに一つの問題点が――――・・・〕
職:スターシア様・・・
ラ:何の用なの―――
職:その・・・実は―――
ラ:はあ〜・・・またあの方が?
仕方がありませんわねぇ―――・・・
〔この建物のバルコニーで、一時(いっとき)の安らぎを求めるラゼッタ。
しかし、その静寂を破るかのように、シャンバラ商会の職員(実は宇宙艦<シャンバラ>の乗組員)からの、
ある報せにより少々困り顔になってしまったのです。
それというのも―――〕
ジ:ねぇ〜〜―――ねぇぇ〜〜―――女禍ちゃんは〜〜??
私の可愛い女禍ちゃんはぁあ〜〜??
ブ:あの・・・ですから我が事業主は、まだ出張先から帰ってきませんので―――
ジ:いゃあ〜〜ん!いゃあ〜〜ん!! どしておねいちゃん置いていっちゃったのぉ〜〜?!!(あ゛うあ゛う)
ブ:(はぁぁ〜〜・・・たまらんわこれは、アレだけすばらしい秘蹟を行える人が、普段は妹依存症なのだから・・・な。)
〔なんと――― ここ二週間ばかり、ここへ来ては駄々をこね、拗(す)ね、泣いたり喚いたり・・・して、
一見すると事業の妨害をしているかのような人物がいたのです。
しかし、なんとそれは女禍の姉であるジィルガ・・・
この人物の相手をブリジットがしていたようですが、やはり・・・と申するべきか、
手を焼きすぎて、お手上げ状態なようなのです。
この様子を見るに見かねた商会の職員が、ラゼッタの下へと来たわけなのですが・・・
さすがのラゼッタも、この様子を見てジィルガと一緒に来ていた者に愚痴るのに・・・〕
ラ:―――ねえ、あの人連れて帰ってくんない・・・。
マ:バカを云えよ―――ボクにそんなことが出来ると思っているのか・・・。
ラ:そうよねぇ〜〜―――(出来るんだったら・・・こんな事にはなっていないんだろ〜しぃ・・・)
マ:・・・それよりもラゼッタ、今ちょっといいか―――?
ラ:―――なによ・・・