≪二節;伝えたい思い・・・≫
〔この商会の理事長、ブリジットと同じであるが如く、ほとほと困り顔のラゼッタ。
―――が、この建物の柱の陰に潜んでいた者に、一緒になって連れて帰るように促せたのですが、
彼、マグラも、無理な事を云うなとばかりに猛反発をしたのです。
すると―――ここで何を思ったのか、今度はマグラのほうがラゼッタにお願いがあるらしく、
彼女に近づいて云うに・・・〕
――〜ずいっ〜――
ラ:な・・・なによ―――!
マ:・・・血を、吸わせて欲しいんだ。
ラ:あ゛・・・あんたねぇ〜〜!# こんな非常事態に、良くそんなことが云えるわね゛。!!
〜かぷっ〜
ラ:あっっ―――! この・・・バカっ!!
〔おもむろにラゼッタに近づくなり、“血を吸わせてくれ”の一言に、
今、営業妨害(?)目的でジィルガが来ていると云うのに、何を云い出すのか―――
・・・と、突っ返そうとするのですが、
なんと、マグラはそこを強引に噛み付いていったのです。
その強引さに少しばかり肚を立てるラゼッタ―――
しかし・・・?〕
マ:>いいかラゼッタ、このままでよく聞いてくれよ。<
ラ:>これ・・・テレパサイズ?!<
マ:>そうだよ、実はお師様もボクも、貴重な時間を潰してまで、ここに来てるのはあるワケがあるんだ・・・<
ラ:>ワケ・・・なんなの―――それ・・・<
マ:>このことは、お師様からも、誰にも云わないようにきつく云われている事なんだ・・・
もちろん、ラゼッタ―――君にもね。<
ラ:>ぇえっ?! この・・・私にも知られたくない事があるの??<
マ:>ああ―――本当はと云えば、このことは女禍さんだけに知らせるためだけに、
お師様が来ているということだけ、聞かされているんだけど・・・
けど―――当の女禍さんは、巡察に出かけているというじゃないか・・・。<
ラ:>そうよ―――先人達の教えを求めにいかれたの。
でも、それのどこが悪いというの?<
マ:>まあ聞けよ―――
ボク達はここに来て二週間という時間を費やした・・・無駄な時間だったよ―――
だから、これから話す事は、ボクの依存だけで話す事とする・・・<
ラ:>えっ・・・ジィルガ様からのお許しもなく―――しかも私にだけ?
でも・・・この商会の代表は、私ではなく―――理事長の・・・<
マ:>君じゃなきゃダメなんだ―――!!<
ラ:>マグラ・・・<
マ:>ボクは―――君のことはよく知っている・・・けど、ブリジットのことはよく知らない・・・
それに・・・“弱い”―――<
ラ:>(!!) ・・・何かが、起こっているのね―――<
マ:>さすがだよ・・・ラゼッタ―――
ボクのあれしきの言葉で、よく理解できたね・・・
そう―――実は・・・<
〔彼らは、何も実の妹の事業を邪魔するために、訪れたのではありませんでした。
では、なにをするために―――?
それは・・・最重要機密事項―――
それゆえに、ここにいる職員達にも、要らぬ緊張をしいらせたくはなかった・・・
そんなマエストロの心遣いもあったのですが―――
逆を云えば、ジィルガの一番近くにいる弟子のマグラ・・・
この彼が、師の苦悩を知るところとなり、穏やかならぬ心中にもなっていたのです。
それに―――時間も余り残されていない・・・地球の時間にして、二週間という刻を無駄にしてしまっていては・・・
そう思い、彼は・・・自分と同じくらい彼の苦悩を判ってくれるであろう 同志 に、
そのことを告げたのです。〕