<第十九章;抵触する者達>
≪一節;悔し涕≫
〔今回のミッションは、“楽勝”モノだと思っていました。
けれど、その城に住まう番人は、手強かった―――
いや、手強いと、一言で片付けてしまうには、云うに余るほど手強い・・・
自分たちの最強の手段―――カスタムパーツをふんだんに使った 銃 ですら、傷付けることは能(あた)はず。
まるで、衣服に付いた塵・埃の類(たぐい)を払うときの様に、追い払われ―――
気が付けば・・・自分たちはあの城の近くにある、公園に打ち棄てられるようにしていた・・・。
身体も―――プライドも―――ずたずたに引き裂かれ、
それを庇うかのように、重い足取りでようやく辿り着いた、自分たちのアジト・・・
そこでカレンは―――しばらく立ち尽くし・・・悔しさに涕しました・・・
世界最高であり、また最強を自負していた自分たちが、まるでオタクのコスプレ連中に、
まるで赤子の手をひねられるかのように屈せられた・・・。
インホシブルに終わったミッション―――しかし未だ生きている自分たち・・・
“またおいで―――”と、云わんばかりに情けをかけられた・・・
そう、自分たちの世界において、最も屈辱的な行為をなされたのだ―――
その、悔しさゆえに―――・・・
そして、こうも思ったのです。
ならば・・・あの“鉄の女”よりも、先にやつらの鼻を明かしてやらなければ・・・と―――
そこから、カレンたちの音信は、ぶつりと途絶えたのです。〕