≪二節;ヤルタにて―――≫
〔それはそれとして―――ブリジットもその一員である、あのヤルタの五人組は・・・と、云えば。〕
ギ:ところでブリジット―――いつぞやの=J=の件はどうなったね。
ブ:・・・申し訳ないが、アレだけ大言壮語した手前、わが国のMI−6を動員しても、
彼らの網にはかかってこないのです。
これでは、まるで実体のないモノを、掴んでいるかのようだ―――・・・
サ:“存在するのに、存在しえない”・・・と、でも?
まるで“神”ですな―――
ブ:フ・・・そうかもしれない―――
だとするならば、米が滅んだ理由も、判らなくはありませんでしょうかな。
イラクへと侵攻した際も、建前すらあげず、後で証拠をでっち上げて、危うく泥沼化になりかけた・・・
あんな国の、どこに正義があるとでも―――?
だから“主”はお怒り給うた・・・と、私はそう見るのだが―――?
ル:おいおい―――ブリジット・・・お前さん、何か履き違えてやせんか?
ブ:―――なにがでしょう・・・ルドルフ。
ル:なにが―――じゃないだろう、そんなことなどここにいる連中なら、皆そう思っておる。
だが、あの国の滅亡の前後に現れている=J=なる存在が、
今、我々が最も注目すべき点なのだ。
しかも―――その正体を暴かんがために、お前さんが大口を・・・
ブ:はっはっはっは―――
ト:・・・なにが可笑しい、ブリジット―――
ブ:いや、これは失礼―――・・・
私も、当初はそうは思っていたのですが・・・相手が一般人ならばまだしも、“神”だというのだ・・・
しょせん人間如きの我々が、どう足掻いた所で、判ろうはずもありますまい。
ギ:だが―――しかし・・・その=J=なる存在が、“神”だと確証は・・・
サ:そうだとも―――世には、良く“主”の生まれ変わりだと称して、詐称する連中も後を断たない・・・
〔そこでは―――やはり以前に上がった議題・・・米を滅ぼした=J=なる存在の追及がなされていました。
しかも、この度その存在の調査を担った・・・いや、自らそれを志願したのはブリジットだったのです。
実は―――彼女は、女禍と付き合っていくうちに、彼女が=J=である事を確信していました。
けれども、どうやら彼女達は、お互いの水が合うらしく、
ブリジットのほうでも、女禍が自分たちの会で怪しまれているということなど、
もう随分も前に捨て置かれていたのです。
それに・・・ブリジットが判っているという事は、女禍を調査する上で、そのことをぼかせていける・・・
けれど、この行為も限界に来ていた今となっては・・・〕