≪二節;地に足がつかない者達の道理≫
老:あなたも―――もうすでに知ってのように、雲を抜けるような高層の建物に、
贅沢な暮らしをしている者達は、ほんの一握り・・・。
その他の多勢は、未だに土壁の家や・・・況してや家さえも持たぬ者もいる。
それに・・・日の食事も、三度三度食べれるのはまだいい方―――
中には、配給でもらえる乾パンやビスケット一枚・・・と、いう地域もあるらしいからねぇ・・・。
女:そんなに―――・・・
老:第一
―――・・・大地から離れ、地に足がついていない状態で、ナニがしたいのか・・・
どこへ行こうというのか・・・私にはよく解からないよ・・・。
かつての私たちは、 水 と 大地 と共にあり、その恩恵を手向けられて活きてきた・・・っていうのに―――
私らがよく読んでいる聖典(コーラン)の仲には、“火”の力を軽んじてはいけない・・・と、いうのがある。
全く持ってその通り―――だと思うよ。
そりゃ・・・私だって少しばかりの火は使う、だけど―――強すぎる火は何も生みはしない、
ただ灰にするばかり・・・
でも―――水と大地は、約百年をかけて緑を育む・・・。
どうして・・・そんな簡単な事も、解からなくなってしまったんだろうねぇ―――・・・。
女:――――・・・。
〔その・・・老女が話していたこと―――
それこそは、この惑星に連綿と言い伝えられてきたこと・・・それを聞いて、皆大人になったのだろうに―――
どうしてそのことを教訓として、仲良くやっていけないのだろうか・・・
そのことを、女禍は大変残念に思っていたのです。〕