≪三節;交信―――≫
〔そして―――テントから、老女とアベルが去り・・・女禍一人となったところで、
彼女は、身につけていたあるモノを取り出したのです。
それは・・・一見すると、ブレスレットのようにも見えました・・・。〕
女:>――――こちら艦長・・・ハミルトン、聞こえているね?<
ハ:>ああ・・・はいはい、ええ―――よく聞こえていますよ。
それで―――どちらへ・・・なにをなされているので?<
女:>ああ―――・・・それがどうやら、砂漠化が進んでいる地帯に降りたようでね・・・。
それに、何をしている―――と、いわれても・・・
どうやら、私はスパイに間違われていて、勾留されているみたいなんだ。<
ハ:>んな―――・・・勾留?? それはなんとも・・・また―――<
女:>いゃあ・・・でも―――ね。
電磁力で拘束するような、ご大層なものじゃなくて・・・
布地で出来た、簡易性の居住区みたいな処へ、放り込まれているだけなんだ・・・。
それに―――風通しもよくって、快適でね・・・勾留というより、
むしろお邪魔させてもらっている―――っていう感覚だなぁ・・・。<
ハ:>ハハハ・・・・(しかし、呑気なものだ―――な・・・)<
女:>ああ―――そうだ・・・
もう少しすると、姉さんがその宙域に来ると思うんだけれど・・・
なるべくなら、私がこうなってしまっている―――ってことは、内緒にね?<
ハ:>・・・・・・遅いと、思いますよ―――<
女:>えっ?!なにが―――・・・<
ハ:>ですから〜〜・・・ジィルガ様なら、あなた様がそちらへ言った―――って、云うか云わないかの内に、すっ飛んで行ったらしくて・・・<
女:>――――え゛え゛〜〜っ??!!
も・・・もしかして―――もうすでにここにぃ?!<
ハ:>―――――の、はずですが・・・<
女:>(うっわ゛ぁ〜〜・・・)どうしよう・・・・・
ちょ―――ちょっ・・・・と、居候している―――って言うわけには、行かないかなぁ〜〜?<
ハ:>・・・・さぁ――――
その“勾留”の度合いにも、よるとは思いますが・・・・<
女>:(う゛ぅ〜〜ん・・・)だから―――なにもない・・・
見張りもいないし、私を拘束するような器具さえつけられていないんだ・・・<
ハ:>はあ―――成る程・・・
だとすれば、上手くごまかせられるかもしれませんなぁ―――<
女:>それより―――今まで私と原住民達が、接触したときの語録があるから、
そちらに転送するので、保存しておいてくれないかな。
少しだけれど―――彼らの・・・この惑星(ほし)の事が解かるかもしれないから・・・。<
〔でも―――それは、自分の艦・シャンバラとの交信が出来る、ツールを兼ね備えた超高度な装備品だったのです。
そして・・・艦に残してきている副官・ハミルトンとの交信によって、“予定”より早く、
『姉』であるジィルガが、自分を追ってこの惑星(ほし)に降りてきてしまっていることを知ったのです。
―――が、その事を知り、急に焦りだしてしまう女禍・・・
でも、それも、自分を可愛がりすぎる嫌いのある人物が、もし自分が不当な目に遭わせられているのを知ったとしたら―――・・・
もはやその先は、想像だにすることさえ恐ろしいので、割愛してしまう女禍がいたのです。
それよりも―――この僅かな時間で、このゲリラ組織の長と、少年・アベル・・・と、その祖母。
彼らとの対話の記録を、本艦へと転送・保存して置くように伝えたのです。〕