≪二節;更なる“未亡人”たちの魔手≫
〔そのまたある一方で―――あの“会”・・・そう、<第二ヤルタ会>の出席者の一人でもある、
ロシアのトロツキーの前に、“未亡人”の幹部の一人が・・・〕
ト:―――なんだ、貴殿は・・・
誰:これは初めまして・・・ガスパージン・トロツキー。
フ;不肖私めは フォルネウス と、申す者です、気安く呼んでいただいて結構ですよ・・・
ト:・・・なんなのだ、早く用件を云いたまえ。
フ:・・・実は―――
〔なんと、トロツキーと接触を図っていたのは、ビューネイと同じく“ウィドゥ”の一員であるフォルネウス・・・
そう、彼らはもう既に各国の首脳レベルにまで接触を図っており、
その頭から腐らせ、骨抜きにしていこうという算段なのでした。
それも、なんとも話術巧みで、ただ聞いているだけならば、聞き手には悪い印象を与えない・・・メリットばかりの条件の提示に、
そんなところに、彼らの負の部分を垣間見れるのです。
それにしても哀しいかな―――当時の地球人たちは、それに抗う術を持ち合わせていませんでした。
斯く云う、ブリジット以外は―――
けれども、彼ら同士―――女禍・ジィルガが所属する<フロンティア>と、
ビューネイ・フォルネウス擁する<ブラック・ウィドゥ>とは、
お互いの組織の情報は持ち合わせていたものの、じかに接触した事がなかったことから、
この地球にお互いがいる―――ということは、未だ知り得てはいなかったのです。
ですが・・・このことは、次第に判り始めてくる事だったのです。
ある者とある者―――ラゼッタとカレンが、再び相見(あいまみ)えることによって・・・
以前は―――屈辱をイヤというほど味わわされ、いつかはこれを雪(そそ)がんと躍起になっていたところに、
未知の協力者が現れ、最新の装備があしらわれたモノを譲り受けた・・・
それは素晴らしかった―――いや、素晴らしいという一言では云い表せられないほど、素晴らしい代物だった・・・
身体の要所を固めるプロテクター類も、まるで装着感がない様に軽やかに感じ、
<光学迷彩>はもとより、<飛行機能>までも付いている・・・
これでようやく―――あのラゼッタなる者と、互角に渡り合えるものと思い、
数週の運行試用期間を経て、今度はカレン単独でトロイメア城に侵入を開始したのです。〕