≪五節;越えられぬ差≫
〔―――ところが、何を思ったか、ラゼッタは急に・・・〕
カ:ナニ・・・? 腕を―――組んだ?!!
ラ:・・・今の君なら、これで十分―――
手痛い反撃というのもあるだろうが・・・それはそちらでよけるがよい。
カ:ふ―――ふざけるなぁあっ!!
― バキイッ!☆ ―
ラ:―――・・・。
カ:う・・・っ―――うぅ・・・(じいぃ〜ん)
な・・・なぜ、殴った私のほうの手が痛い?!
ラ:フフ・・・ほらほら、ダメじゃないか―――
せっかくのチャンスを、休んだりしては、私の組んだ腕を解(ほど)くのには時間がかかるぞ。
カ:う・・・おのれっ―――! ていやぁ〜っ!!
ラ:そうそう・・・その意気―――はっ!
――ヒュゥッ ギュルル・・・――
カ:うぐぅっ?! こ・・・これは―――尻尾?!
お前は・・・一体、何者―――??
ラ:私は・・・ハイランダー<竜眷属>の第一階位、ディバインドラゴンの―――
スターシア=ラゼッタ=アトーカシャ
・・・よく覚えておくことだ・・・な、“ニルヴァーナ”―――カレン=H=ヴェスティアリ。
〔まるで・・・両の手で相手をするのが億劫とでも云うが如く、ラゼッタは腕を組み、
まさにノーガードといった状態で、カレンの攻撃を誘ったのです。
そのことに感情的になり、一撃を見舞ったカレン―――・・・
確かに、彼女の拳はラゼッタの顔面を捉えました・・・
けれども、思いのほかダメージがあったのは、拳を放ったほうのカレン―――
まるで鉄を思いっきり殴った感覚―――
殴った拳のほうが、痛さに痺れ、おまけに追撃を浴びせられるかのような言葉に、
反撃を試みてはみたものの―――
しかし今度は、苦もなく避けられた後、ラゼッタの“反撃”にあったのです。
自分たち 人類 にはない―――長い尾・・・
それがカレンの首に巻きつき、そこでようやく、自分が相手としているのが、
人間ではないと判明したとき、向こうからはその正体が語られたのです。〕
To be continued・・・・