≪四節;安楽死≫
〔―――ともあれ、ラゼッタから貰った薬を服用し、動けるまでに快復したカレンは・・・〕
ラ:(つけたようだな・・・)では―――参る!!
ライトニング・ストライク
閃 光 の 一 撃
=ブルーティッシュボルト=
〔“蒼き雷光を纏った一撃”―――おそらく、ラゼッタのもてる総ての能力を、
ラゼッタの有する グノーシス<モルニヤ> に注ぎ込み、
それから彼女の持つ得物である、別称を“追従セシ者”といわれる<スプートニク>に漲(みなぎ)らせ、
一体となって相手に突撃をする・・・
それこそは、まさに“怒れる雷神の一撃”・・・
はらりと落ちた一葉の木の葉が、ラゼッタの身に触れた途端、音も立てずに塵と化していく―――
そのことを本能的に、この場に留まったままならば自分もああいう運命になる・・・
―――と、解釈したカレンは、ラゼッタの合図の声とともに、脇目も振らずにこの場から去ったのです。
そして―――人智を超えた迅さで、敵に襲い掛かったハイランダーは・・・
確かに、獲物を捉えた―――という感覚はありました。
ですが、ラゼッタが捉えていたのは、ビューネイ自身ではなく・・・?〕
ラ:(なにっ?!)これは・・・手甲―――?!
ビ:フフフ―――・・・いやはや、剣呑剣呑・・・
私の得物であるこれの、自己防衛本能が働いていなければ、
いかな私とは云えども、その木の葉と同じ・・・原子の塵と化していたことでしょう。
ラ:くぅっ―――!!
ビ:・・・まさか、私が丸腰であなたと張り合おう・・・と、でも?
残念ながら、私もそこまで自信過剰家ではないので―――ね。
ラ:(まさか・・・アレをとめられるとは―――)
(ズキン〜!☆)うっ―――!?
ビ:ああ――― 一つ、ご紹介をしましょう・・・
何も、あなただけご自分のパートナーを紹介したというのは、あまりフェアなものではありませんから・・・
私のパートナー ―――・・・
イヴィル・ヴァンブレイス
悪 魔 の 手 甲
サイネジア
―――です。
ラ:あ・・・“安楽死”―――だと? そ・・・そうか―――お前・・・!(ガク・・)
ビ:おやおや―――どうしました。
先ほどまで戦いを優位に進めていたあなたが―――
ラ:うか・・・つ―――す・・・すでにあの時点で・・・
私のほほを掴んだ時点で―――何かを仕込まれていたと・・・は!!
〔奇しくも―――ラゼッタの放った一撃は、ビューネイの身体には届いていませんでした。
それはなぜかというと・・・ビューネイがひそかに身につけていた 悪魔の手甲<イヴィル・ヴァンブレイス> によって、
総てを阻まれていたから・・・
それに―――すでにラゼッタは、その一撃を繰り出す前から万全ではなかったのです。
それを・・・そうであるとも知らず、一撃を繰り出したとしても、不完全なままでは仕留められない。
そのことに気付いたときには、すでに“遅かった”のです。
そんな・・・身体に異状をきたし、不本意にも片膝を地につけてしまった―――
何とか体勢だけでも立て直さなければ・・・と、アドレナリンを分泌すればするほどに、自由は奪われていき・・・
そして―――相手の得物の銘が、“安楽死”を意味するものであると気付くと、
あの時・・・ビューネイにほほを掴まれた時点で、この勝敗はついていたのだ―――と、ラゼッタは省みたのでした。〕