≪四節;鉄の女vs炎妖≫
〔自分の祖国を滅ぼした者―――と、その原因を招いた元凶を遍(あまね)く知った者・・・
そんな二人が劇的な出会いを果たし、和解をした・・・
そしてこれから何をすべきかを話し合おうとしたとき―――
そんな時、また一人この部屋に―――・・・〕
女:ブリジット―――・・・
カ:・・・。
ブ:女禍・・・あなたは、彼女が何者なのか判っているのですか。
女:ああ・・・判っているよ、何もかも―――
今、そのことについて彼女と対話をしていたんだ。
ブ:(はあ〜・・・)もう少し・・・慎重に―――
彼女はあなたを付け狙って―――
カ:『鉄の女二世』・・・なるほど、道理で当たりがないわけか―――
あなたがこの人の部下・・・だったなんてね。
ブ:カレン―――どうする、この情報を持って、早速あの連中に尻尾を振るか。
カ:―――・・・。
女:ブリジット、やめるんだ―――!
もう彼女はそんな気さえない。
ブ:なぜそんなことが云えるんです。
こいつらは、笑顔を交わしたその裏側で、何を企んでいるか判らない・・・
そんなことを前提にして生きてきた者達なのですよ?!
それを―――・・・
女:カレン――― 一つ君が感じていることに誤りがあったから、ここで訂正をさせてもらおう。
彼女は・・・ブリジットは、私の 部下 などではない、 盟友 なんだ。
カ:“友”―――・・・なるほど、それでこんなにもあなたに対してストレートに意見が出来るのですか・・・
・・・・・・・・・。(ボソ)
ブ:(・・・え?)なんだって―――? 今、なんと―――・・・?
〔色をなしてこの部屋に入室してきたのは、以前より女禍の人柄にほれ込み、
永らくこの惑星に根付くことにした女禍の、現地での最大のパイプ役でもありサポート役を兼ねる、ブリジットなのでした。
そんな彼女が心配をしていたこと―――
『自分の祖国を滅ぼしてくれた者を探している・・・』と、以前ブリジットがその身を置いていたある“会”に、
カレン自身が乗り込んできた―――
厄介なことだ・・・とは思いながらも、同時に自分たちの“会”も友人のことを捜索しており、
その場である案を提示したのです。
そう・・・その人と友人関係にあるブリジット自身が、その人を捜索する役目を担った・・・。
けれども、そうしようとした背景には、ブリジット自身がその役目を負えば、
あとのことはいくらでも操作できる・・・
事実、この後日の報告会でも、見事彼らの目を欺けられ、
同時にその“会”からの脱退にも支障なく行えた―――
その手際のよさは、見事だというしか他はなかったようです。
ところが――― 一体どうしたことか、自分の友人憎しで燃えていた者が、
自分の友人と膝を交えての対話をしている・・・
そのことをブリジットは痛痒したのですが、
意外にもブリジットの友人である女禍は、そんな彼女を諌め、
自分に敵対心を抱いていたカレンに対し、こう説いてあげたのです。
ブリジットのことを・・・“部下”ではなく、“盟友”だ―――と。
すると、カレンの口からは、実に意外性に富んだ言葉が・・・
――羨ましいものだな・・・――
――出来れば・・・この私も、その輪の中に入れてもらえないだろうか・・・――
そのことをカレンの口から聞いたとき、女禍はただ、優しく微笑みかけるだけなのでした。〕