≪七節;闇の取引き≫
〔それとはまた別の場所で―――・・・
そこは・・・北の最果てとなる シベリア と呼ばれる凍てついた大地―――
その寒々とした凍土の、サンクトペテルブルグと呼ばれる一都市に、
その者達は集っていました―――・・・
そう・・・あの“未亡人”の連中が―――〕
ト:(フ・・・)よく来てくれた―――
フ:いえ―――・・・
それにしても、随分と理解力がある方で助かりました。
これから私たちの組織は、その代表者とともに、
全面的にあなたをバックアップするものと誓約させてもらいますよ。
ト:フフフ・・・頼みましたよ―――
(ようやく・・・ようやくツキが回ってきたぞ―――!
最初は不気味な連中だと思っていたが・・・あの米が自滅してくれたのは好都合―――
何しろ、やつらのおかげで、常に二番煎じに甘んじ、二の足を踏まされ続けてきたのだから・・・な!!
だが・・・これを機会に、我々ロシアが世界の覇者となるのだ―――!!)
ククク・・・それにしても、まさに=J=様々―――というやつだ・・・な。(ボソ)
フ:(――ぅん?)・・・何か、おっしゃられましたか?
ト:いや―――なにも・・・
さあ、祝おうではありませんか、今日という記念日を。
フ:(・・・・・。)
そう、ですな―――・・・
〔“未亡人”の幹部の一人であるフォルネウスが訪ねていたのは、
以前から接触に接触を重ね、そしてこのほどようやく願いが通じた―――
かつてはブリジットも所属していたある“会”・・・<ヤルタ第二会>の一員である、
ロシア連邦代表である トロツキー 所有の屋敷だったのです。
しかも・・・やはり―――というべきか、彼はこのほど自滅した、米のことをあまりよろしく思っていませんでした。
それどころか、“それ見たことか”―――くらいの見識しか持ち合わせておらず、
また彼も、ブリジットと同様に、<ヤルタ第二会>に対しては、実に褪めた態度でしか臨んではいなかったのです。
そのことに加え―――未知からの訪問者・・・に、手放しで喜んで迎え入れたのも、
その技術の高さもさることながら、これでようやく自分たちの国が、
名実ともに世界の盟主になれるものと、確信に至ったからであり・・・
ですが―――しかし・・・〕
フ:(フフン・・・哀れで愚かなる者よ、せいぜい“世界の盟主”如きで喜んでいるがいい。
そして、我等の尖兵・走狗となるがいい―――・・・
所詮お前たちは、“捨て駒”に過ぎないのだから・・・な!!)
〔彼らの―――このドス黒い企みを、果たして地球人であるトロツキーが知る由などありませんでした。
それに・・・この手法を主観において、ほかに様々なバリエーションにて、
他の銀河の『星間国家』さえも堕落せしめ、彼らの尖兵となるように仕込ませた・・・
それだけが理由ではないけれども、当然のように“警察機構”にはマークされるものの、
しかしそこは手馴れたもので、一人その組織にシンパとして潜り込ませておけば、
あとのことはその 一人 に任せておけばよかった―――・・・
それは、その内通者が上層部であればあるほどなおのこと―――・・・
こうして、痛痒くもない警察機構からの手から逃れると、
彼らは更なる悪事を働くために、星々の間を飛び回るのでした。〕