≪四節;捕らわれたラゼッタ≫
〔―――とは云っても、機は待ってはくれないらしく、陽は落ち・・・闇の帳(とばり)が下ろされたころ・・・〕
ラ:・・・―――?
カ:今まで―――こちらが来るまでに退いていたのは褒めてやる・・・
だが、同じ経路を使うのは賢く無かったよ・・・スターシア=ラゼッタ―――
ラ:・・・―――フッ。
カ:う・・・おっ?! 言葉の挨拶ではなく、直接手を出すのがお宅の流儀か―――
ラ:――――・・・。(コキン〜☆コキ――☆)
カ:(聞こえていないのか・・・?)返事ぐらいしたらどうなんだ―――ラゼッ・・・
〔三度その場所に現れたのはラゼッタ・・・そのことも予測していただけに、今回は逃がすことはありませんでした。
・・・が―――決定的な場面を抑えられても、当の本人であるラゼッタはノーリアクションのまま・・・
けれどこれでは取り付く島もない―――と、カレンが感じたとき・・・〕
ブ:随分と―――躾のなっていない入り方をするものだな・・・ラゼッタ。
ラ:(!)―――・・・。
ブ:どうした―――もう私の顔を見忘れてしまったのか・・・友よ。
〔次に姿を見せたのはブリジットでした。
ですが―――・・・彼女を見た一瞬のみ以外は、カレンとさして変わらないリアクションだったために、次にはこの人物が・・・〕
女:ラゼッタ・・・どうしたんだ―――君ともあろう者が、入り口からではなくそんなとこから入ってくるなんて・・・
ラ:(!!)―――女・・・禍・・・
カ:(初めて反応を―――)
ブ:(示した―――!?)
女:そうだよ―――私はここにいる・・・さぁ、私の下に帰っておいで、ラゼッタ・・・
〔それは、ラゼッタ自身敬愛して已(や)まない、シャンバラ艦長・女禍なのでした。
でも・・・ラゼッタは敵対する者達の手によって洗脳を施された存在―――
以前の関係とは少々違ってしまっているかもしれない・・・
―――そうであるにもかかわらず、以前と変わらない対応を、女禍はそこで示して見せた・・・
ところが―――突如として、そうであることを仕込ませたかのように、女禍の形容をしたモノに、ラゼッタは襲いかかったのです。
すると―――・・・〕
ラ:・・・―――遅いじゃないか・・・今まで何をしていたんだ・・・
マ:ふっ・・・どうした―――相も変わらず元気そうじゃないか・・・
虜になったというのは、アレはウソだったのかな―――
ラ:・・・―――あの下衆・・・ども、この私の身体を・・・弄玩(もてあそ)び・・・弄(いじ)り姦(まわ)した―――
この・・・辛さを―――お前は・・・!
マ:・・・『ごくろうだった―――』そう・・・あの方は、お前のことを労(ねぎら)っていたぞ―――
ラ:・・・そうか―――ならば早く、私を・・・拘束しろ、ここまでが限界だ―――!
〔ラゼッタの一撃は、女禍の急所を捉え―――でもしかし、その衝撃で女禍の容(かたち)をしていたモノは崩れ去り、
―――と、同時に、軟粘体状の物質がラゼッタの上腕を捉えたのです。
すると・・・今までのがお芝居であったかのように、ラゼッタは急に凛とした言葉を紡ぎ始めたのです。
それにその場にはマグラの姿が・・・?!
そう―――今、ラゼッタが一撃を加えたモノこそ、マグラの血で創造した女禍の幻影であり、
ラゼッタもそのことを心得た上で、秘かにストックしていた正気を振り絞り―――
自分の気持ちを解かり合えてくれる者に、その身を委ねたのです。〕