≪三節;撒き餌≫
〔そして―――某日未明の夜に、またしても何者カの侵入を受けたシャクラディア城では・・・〕
警:お〜―――い!そっちに逃げ込んだぞ〜! 追い込め―――っ!
警:へへっ―――逃がしゃしねェぜ!
カ:どうしたんだ―――
ブ:ああ―――カレン・・・いや、実はな・・・
カ:また侵入者か―――意外とここのフアンは多いんだな。
ラ:フフ・・・それはもちろん、何しろこの私が宇宙で一番に敬愛している方が主催されているんですもの。
他のところにおいては、悋気を病まずにおかれないでしょうに―――
カ:ラゼッタ・・・もういいのか―――まだ少し安静にしたほうがいいのでは・・・
ラ:リハビリテーションのプログラムは、昨日をもって須らく終了―――どこも異常はなくてよ。
ブ:―――それはそうと、マグラは・・・?
ラ:フフン―――アレだけきついものを吸い込んだんですもの〜未だに ぐしゅぐしゅ 云ってることでしょうよ。
カ:(怨み骨髄というべきか・・・)
ブ:(結構根に持つタイプのようだな・・・)
〔ここ最近の―――数回にわたっての侵入騒動に、もはや馴れ合いとでも云うべき空気が蔓延していたことには、
いわばこちらにとっては、格好の訓練のようにもなっていたわけなのですが―――
こういうときに一番危険なのは、そういった気の緩み・・・
“また”侵入者だろう―――と、いう軽い気持ちこそが、禁物だったのです。
そう―――フロンティア側はそういう気持ちであったとしても、ウィドウ側はそういうことをも見越した上で、
組織とは無関係の者を使い、ある機会を伺っていた―――・・・
しかも、あるプレゼントを用意した上で―――・・・
―――かくして、瞬く間に侵入者は捕らえられ、ただ一つ今まで違っていたことは、
シャクラディアの持ち主がこのときにはおり、その侵入者に対して何の目的で―――
また誰に頼まれてこのようなことをするに至ったのか・・・を質すために、この場に出てきてしまったのです。
けれど、それこそが・・・彼ら―――ウィドウたちが望んでいたこと・・・〕
侵:ぉおお―――っ! うぉっ―――ぅぅ・・・
女:(可哀相に・・・誰かに操られている目をしている―――)
もう大丈夫―――・・・そんなに怯えなくてもいいよ・・・
―――パイヤール、彼を放してあげて、私のカレイドで正気を取り戻して見せます。
警:・・・はっ? いえ、しかし―――それでは危険を伴うのでは・・・
女:大丈夫―――この人は、何者かに“ここに侵入する”ように刷り込まれているだけ・・・
それ以外のことは何もしない―――し、何も出来ない・・・
〔侵入者の目は、明らかに何者かによって、何かを仕込まれていたかの如く、尋常ではありませんでした。
けれども彼の身体は正直なもので、その場に女禍が現れると明らかに萎縮の態度が見られ、すぐに大人しくなったのです。
しかし―――これこそが彼らの・・・ブラックウィドウの“囮役”<デコイ>でもあったのです。
そう―――・・・もし、何者かの意思によって操られていると知ったら、シャンバラの主はどう出てくるだろう・・・
やはり 慈悲 の名の下に、自分のチカラを解放するために、のこのこと出てくるに違いない―――・・・
そのときには、少なからず無防備になるときが必ずやって来る―――・・・
狙うのはそのときだ―――と・・・〕
――よし・・・今だ―――行け!ラゼッタ・・・!!――
ラ:(ビクン――☆)・・・―――い、わかりました・・・
〔今回、“囮役”の操り人形を使い、まんまと意中の獲物を穴倉よりおびき寄せた操り人は、
そこにいる者達の中では誰もが知らない―――無論女禍や、況してやブリジットやカレン・・・
そして―――今回の、このときのために仕込みを終え、シャクラディアへのプレゼントとして舞い戻ったラゼッタでさえ判らないところで、
無防備になった瞬間の女禍を襲うように、ラゼッタに指令を送ったのです。
すると―――・・・ウィドウに施された洗脳は、須らく洗い落としたはずなのに、
ラゼッタがウィドウの操り人からの指令を受けると―――・・・瞬く間にハイランダー形態に変形し、女禍に襲い掛かったのです。〕