≪二節;悪魔の畏怖≫
〔では―――その次の姉のほうは・・・と、云うと・・・〕
オ:う・・・ぐ・・・がはっ―――!
ジ:・・・たった―――これしきの実力で、私の可愛いがっている女禍ちゃんに手を出そうとは・・・
高くついたようねェ―――オーギュスト=カリギュラ=シュタインバッハ・・・
オ:う゛・・・ごぼぉっ!
ジ:・・・つまらない―――本当につまらないわ、お前・・・
もっとこの私を愉しませて御覧なさいよ―――それでもお前・・・ブラックウィドウの上級幹部<ディアブロ>の長なの?
だとしたら・・・その<ディアブロ>というのも、お前程度の実力しか持っていないクズ共の集まりというわけねぇ。
オ:こ・・・この―――お、おのれぇ~~!!
ジ:うぅ~ン♪その意気―――そうでなくては、潰し甲斐がないわよねぇ・・・
裏面;無式―――ファイナルストライク
=ディスインテグレイド=
〔その者は―――これから逝く者の断末魔さえ許さなかった・・・
自らが溺愛する妹を襲いくるということは、その者にとってはそれだけで断罪の理由となりえていたから―――・・・
然るべくして、咎人の周囲(まわ)りを幾層もの多層結界が覆い、その内で咎人は藻掻き・蠢き・苦しみ・悶えながら、
一片一滴の血肉すら、この世に残さず消え果ていく・・・はずでした。
ところが―――ジィルガは、この咎人の首より上を残して、刑の執行を押し留めてしまったのです。
なぜ―――・・・?
この世において憎き者に、どうして情けがかけられたのでしょうか―――・・・〕