≪二節;訪問者≫
〔それから―――しばらくが経ったある日の出来事・・・
シャンバラ商会の名誉顧問となった者に面会したい・・・と、願う人物が―――
しかもその人物とは、この惑星の男性の様でもありました・・・。〕
誰:あの―――すみません・・・ここに女禍という人がいるはずですが・・・会わせて貰えないものでしょうか。
職:―――はあ? ・・・あいにく、そのような者は在籍してはおりませんが・・・
誰:いえ―――そんなはずはありません。
それに、オレは決して怪しい人間ではありませんから。
ブ:―――どうしたのだ・・・
職:ああ・・・代表取締役様―――いえ、この男性が・・・
ブ:・・・君は―――
誰:はい―――オレは・・・
ア:アベル=アドラレメクと云います―――以前ここの女禍という人に大変お世話になったことがあって・・・
それに・・・ここ最近ここで大変なことが立て続けに起きてる―――って、お師匠に聞かされて・・・それで・・・
ブ:―――まあ、立ち話もなんですから、奥のほうでゆっくりと話しませんか。
〔今は取り立てて誰とも会いたくない―――そう云って塞ぎ込んでしまっている自分たちの盟友に、
明らかに存在を判っていると面会を求めた好青年が一人―――
しかしなんとそれは―――しばらく女禍の姉であるガラティアの下で勤勉に武芸に励んでいた、
少年のころのあどけなさが消えたあのアベルなのでした。
けれども、今、シャンバラ商会を取り仕切っているブリジットやカレンとは全くと云っていいほど面識はなく、
とは云っても、その言い分にはこちらの事情に精通していると見えたので、これからブリジットが個別に話を聞くこととしたのです。〕