<第三章;ELF(チカラを持ちし者)>
≪一節;不特定なる能力(チカラ)≫
〔その者は―――不特定に降り立った場所で、ゲリラ組織に スパイ だと間違われました。
その者は―――己の・・・己にかけられた嫌疑を晴らすべく、未明にゲリラのキャンプを襲撃した、
超大国の特殊部隊を追い払うべく、そこに現れたのでした。
その際に・・・一つの小競り合いが生じたのです―――
その時に――――・・・
特殊部隊の隊員達は―――・・・
自らの眼・・・またはその身体で―――
自分たちの知る“力”(科学・軍事を総合して)よりも
数段上を行く“未知なる能力(チカラ)”を有する者の事を―――・・・
識り―――または感じていくこととなるのです・・・
今―――不審なる人物、女禍に対して、アメリカの特殊部隊<デルタ・フォース>の火力が注ぎこまれた中、
当事者の一方である女禍は―――・・・〕
フ:撃ち方やめいっ―――!
α:――――・・・。
β:・・・どうだ―――
θ:やったか――――?
〔凄まじい砂埃と、鼻につく硝煙の匂いと煙・・・
そのために、一時視界を塞がれたデルタの隊員は、その号令とともに、一旦攻撃を中止したのです。
しかも――― 一斉に射撃をしたので、その場には無惨な死体が転がっている・・・のかと思いきや―――〕
女:―――――・・・・。
フ:(ナ・・・ナニ??)かすり傷・・・一つ、負っていない―――だと??!
〔その者は・・・ただ、そこに佇んでいました―――
初めに会い、見たときと同じように・・・。
そして―――こう、ポツリと漏らしたのです・・・。〕
女:・・・・哀れな―――