≪二節;説法≫
フ:な―――なんだと??!
女:哀れ―――だと言ったのだ。
なまじ“チカラ”を間違った方向に使用したがために・・・。
―――あなた方の、今使用しているその“チカラ”は、元々そういう風には使われてはいなかったはずだ・・・。
それをナゼ―――こんな方向性でしか指し示さないのか・・・私には理解しがたい。
フ:く・・・くそう―――っ・・・
おい―――劣化ウランを使え!
β:はっ―――?? で・・・ですが、隊長―――
アレは、“万が一”の事を想定して・・・・
フ:“今”が“その時”だ!! 撃てっ―――!!
θ:は・・・はいっ―――!!
女:(ふぅ・・・)無駄なことを―――
どうやらあなた方は、一度、自分たちでも敵わない者がいるということを、知っておいたほうが良さそうだ・・・。
悪く―――思わないでおくれ・・・。
〔恐らく―――彼らの使用した弾丸は、貫通力・破壊力・・・そのどれをとっても、既存の弾丸のどれよりも優れていたはずでした。
けれども、女禍が左手を前方に翳(かざ)した時―――それより以前で劣化ウランの弾頭は粉砕され、
況(ま)してや、女禍の身体に届く事もなく、周囲に四散してしまったのです。
その時―――彼らは、女禍の前方で展開していた“あるモノ”が、次第に薄れ―――消えてゆくのを見たのです。
そう・・・結論付けてしまえば、それこそが彼女を護っている『盾』であったことの、なにものでもなかったのです。
でも―――・・・一見して、何も持ち合わせていない女禍が、一体どこから彼らの力より勝れるモノを、持ち出したというのでしょうか・・・
いや、しかしそれこそは―――・・・〕
ひゅぅぅん―――・・・
フ:あっ―――・・・あぁ・・・
女:・・・・どうだろう―――少しは分かってもらえたかな。
フ:こっ・・・・このぉ〜〜〜―――
(な・・・なんて女だ―――奇妙なモノを使いおって・・・!)
女:今―――素直にここを去れば、私の方も追撃をしよう・・・と、まではしない。
だから、どうだろう・・・この辺で鉾を収めてみては―――
フ:・・・それはできん―――!
我等の今回の任務は、PLO<パレスチナ解放機構>の一つ、『紅いジハド』の構成員を殲滅する事なのだ!!
女:・・・あなた方は、同じ種族なのだろう??
なのに―――なぜ―――同じ種族同志で争う必要がある?! 言語が違うからか―――?? 思想が違うからか―――??
宙外(そと)から観れば、あんなにも美しい惑星だというのに・・・
そこに住まうあなた方のココロは、険しくも濁っている。
どうしてそのことを改めようと――――
パンッ―――!
チュィ―――ン
〔その者は・・・同じ種族=人間=同志で争い合う事の愚かしさを、切(せつ)に解きました。
それに―――この星系に到達し、この惑星を見たとき・・・おそらく、自分が育った母星よりも美しいことに、一瞬にして心を奪われた・・・
けれど、降り立ったとき感じてしまったことは・・・この惑星に元から住み着いている者達の―――そのココロは・・・
決して そう ではなかったと言うこと・・・。
そのことに、遺憾の意を表わしていたのですが―――・・・〕