≪五節:邪悪なる笑い≫
〔それはそうと―――気になるのはロシアに本拠を置いているウィドウたちの活動状況なのですが・・・
今彼らは、々場所に居を構えているあの男―――・・・〕
ト:盟主・ヱニグマ―――愈々(いよいよ)これからでございます。
慾と権力に塗(まみ)れた、この下らない素晴らしき世界を―――!
それをあなた様の手でもう一度作り上げる・・・その暁には、是非ともこの私めを―――
ヱ:ウフフ・・・トロツキ―――あなたには大変感謝しております。
あなたのお屋敷をわたくしたちの本拠とするために、抵当に入れてくれたばかりではなく、
各国元首たちへのあなたの影響力―――・・・
これからも、存分に有用活用させていただきますわよ・・・。
〔かつて―――“第二ヤルタ会”の一員であり、大国米が滅んだ現在においては世界各国に多大な影響を及ぼせるのは、
その米と覇権を争いあっていたことのあるロシアのトロツキーだけでした。
しかも彼は、最大の邪魔者であった米が滅亡したのに際し、そのドス黒い野望を次第に露わとして来たのです。
その黒い野望をヱニグマは的確に見抜き、トロツキーの野望を増幅させ・・・自らの欲望を充たそうとも考えていたのです。
それに―――・・・〕
――フフフ・・・さあ、ノーブルエルフ、こちらの準備は整いましてよ――
――それも、あなたの愛する人間の手で・・・――
――そして、あなたの大事にしているものを穢してくれましょう・・・――
――これは、わたくしからのほんのお礼の標・・・――
――いづれは・・・――
――あなたさえも・・・――
ククク・・・ハハハ―――
アー――ッハッハッハッハ!!
〔純粋なる悪意に満ちた者は、高らかに笑う―――・・・
自身の、性悪さゆえに―――
そして、出会った性善なる者を穢し、堕落せしめ・・・自らの淫具と化すために―――
恐るべき手段を講じてきたのです。〕