≪三節;苦肉の策≫
〔そんな妹を見かねた姉は、陰ながらの支援をするため、ある者達を自分の艦である ソレイユ に呼んだのです。〕
カ:はい―――ご用件とは何でしょう。
ジ:よく来てくれたわねカレン―――それに、ブリジット・・・
カ:―――ブリジット?!あんた今まで・・・
ブ:存(ながら)えていたさ―――少なくとも、私は・・・な。
それに、そちらの経済的援助の目的で設立した マハトマ も、壊滅的な打撃を被ってしまった。
これでは何のために盟友の下を去ったのか・・・と、途方に暮れていたところ、ジルより呼び出された―――と、こういうことだ。
カ:そうか―――・・・そう云えばジル、私たちを呼び出して何をしようと・・・?
〔そのある者達―――とは、カレンとブリジットでした。
彼女たちは今まで別の人生を歩んでいましたが、同じくして女禍と出会ってからは彼女の下に集(つど)い、お互いに協力し合ってきたのです。
それにブリジットは、意見の食い違いから最近になって女禍とは袂を分かったばかり・・・
しかし、それもブリジットにしてみれば、人知れずして女禍たちの支援をしてやる・・・いわば 縁の下の力持ち 的役割を担っていたのです。
―――ともあれ、彼女たちは何らかの理由でジィルガより呼び出されており、その理由を質(ただ)したところ・・・
ジィルガから、ある思いもよらない提案を受けたのでした。〕
ジ:―――ねえ、あなたたち・・・人間を辞めてみない?
カ:・・・え? い、今何だって??
ブ:人間を辞めろ―――だと? フ・・・フフフ―――冗談にしてもセンスを疑うな、ジル・・・
ジ:あぁ〜ら、私は大まじめ―――なんだけど。
カ:お・・・大まじめで人間辞めろ―――って、それじゃ何か?! あなたは私たちに“悪魔”にでもなれ・・・と?!
ブ:それか“神”―――・・・だんだん笑えなくなってきたな。
〔そのジィルガからの提案・・・とは、彼女たち二人に 人間を辞めてもらう その一点に尽きたのでした。
しかし―――そのことを冗談の類で受け取ったカレンとブリジットは、程度の反発をするのですが・・・
それはまあ確かに、そうとも云えたでしょう。
“現在”という時機を見ても、大切な時期に差し掛かっているというのに、笑えない冗談を放っているのだとすれば、センス以前の問題とも云えたことでしょう。
けれども―――・・・?
ジィルガがカレンとブリジットを呼んだ本当の理由が、もし冗談ではなく本気だったら―――・・・
そのことは、ジィルガの口から直接語られるのでした。〕