≪三節;緊急会議≫

 

 

〔この事態を重く見たガラティアは、緊急に二人の妹を招集し、これからの事態を話し合うこととしたのです。

しかし、その場では―――・・・〕

 

 

ガ:>二人とも―――よく聞いておくれ。

  事態は私が立てた予測以上に暗転し始めている、その一つに、私の不注意で、私とジルが共同開発を進めていたジルコニアが、

  サウロンの手に落ちてしまった―――・・・。<

ジ:>あの代物を―――・・・それで、総てなのですか?<

 

ガ:>いや・・・一部だが、それでも奴にとっては十分なものだろう。<

ジ:>“サンプル”になりますものね・・・それに、サウロンの元の存在であるアベルは、この研究に深く係わり過ぎている・・・。<

 

ガ:>そう云うことだ―――だからジル、お前は早急にお前自身の 裁きの剣 を完成させるんだ。

  そしてその完成の報告を証しに、 清廉の騎士 の称号を得るんだ。<

ジ:>―――承知いたしました。<

 

ガ:>それから・・・女禍―――お前に一任させてある、地上の復旧作業・・・どの程度進んでいるんだい。<

女:・・・それが―――ウィドウの邪魔立てで、思うようには・・・

 

ガ:>そうかい―――けど、今回の私のヘマで事態は楽観視できなくなってしまった・・・<

女:―――まさか、姉さん??! まさか・・・あなたは―――!?

 

 

〔たった一つの、研究成果(の、一部)を掠め盗られたとしても、ガラティアは未来における予測を非常にネガティブに捉えていました。

 

それというのも――― マエストロ と呼ばれる者と、その師事関係にあった者が永年に亘(わた)って研究の題材・対象にしていたのは、

もしかすると、宇宙の摂理などを根底から覆すような代物―――・・・

そんな危険要素を孕みながらも、使役者(または所持者)の感情を汲み取り、意のままに操れるという賜物―――・・・

 

だからこそ、正しき心をもつ者がそれを取り扱わなければならない―――

そういうことで、今まで慎重に過ぎるほど慎重に研究が進められていたのです。

 

ところが―――・・・今回の一連の騒動の中心に係わった人物は、その研究にも深く係り合っていた・・・

だからこそ、ガラティアは二人の妹を集め、これから・・・今まさに起こるであろう最悪の事態を想定し、話し合っていたのです。

 

 

その言葉を―――姉の強い意志を、姉の口から直接語られた時、女禍は動揺しました。

 

――もしかするとこの人は―――自分が見初めてしまったこの惑星を・・・――

 

その予測は十分に考えられることでありました。

 

そんな・・・末妹の、うろたえる姿を見て、ガラティアは―――・・・

 

――ならば、あと100年の猶予は見てあげよう――

――ただし、それでもまだ事態が好転しないようなら・・・――

――・・・その時は、判っているね・・・――

 

 

自分たちが可愛がっている末妹の困っている姿を見て、ガラティアの内で計画の一部変更が生じてきました。

けれど、それはただ単に期間を先延ばしにしただけであり・・・それも、たったの 100年 しか猶予は与えられませんでした。

しかも、この与えられた猶予期間内に、女禍が地上でやっていることがよい方向に向かわないというのならば―――・・・

 

それでも女禍は、返事をしないまでも深く頷き・・・亜空間での通信を、遮断したのでした―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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