≪五節;交換条件≫

 

 

〔そして―――ニルヴァーナ・・・カレンが持ってきてくれた種を足掛かりとして、緑を一つでも多くさせる努力をしてきたのですが・・・

あれから―――38年・・・猶予期間はあと二年と迫ってきたところで・・・〕

 

 

職:艦長―――あっ、こちらにいらっしゃいましたか。

 

女:・・・皆―――本当によく頑張ってくれた・・・心からお礼を云おう・・・

職:―――艦長・・・

 

 

〔結局のところ・・・どう足掻いたところで、自分如きではどうにもできなかった―――

そのことは、認めざるを得ない―――・・・

 

結果は、その時の女禍の言葉に集約されていました。

―――とはいえ、以前よりは緑は回復しつつあったものの、未だ・・・女禍が見初めた頃の面影を取り戻すまでには至らなかった・・・

だからこそ女禍は、あることをする(される)前に、ある準備を急がせたのです。〕

 

 

女:それより・・・シャクラディアには何人が収容できるだろう―――

職:・・・申し上げにくいのですが―――どう積み込んでも、シャクラディア周辺に展開させてあるコロニーだけで精一杯・・・かと。

 

女:―――そうか・・・無理、なのだな・・・“総て”は―――

職:・・・はい―――残念ながら・・・

  コロニーを養えるだけの物資を積み込むからには、ある程度の犠牲もやむを得ない・・・かと。

 

女:そんな問題ではない―――! ある程度の犠牲だ―――なんて・・・それでいいわけがない!

  けれども・・・いや、だからこそ―――私のほうでも、痛みは共有しなくてはならない。

 

 

〔女禍は、自分の至らなさに憤慨をしていました。

“総て”―――ではない、“一部”・・・それも、このシャクラディア周辺に展開されているコロニーに住む者達だけをシャクラディアに収容し、

あること―――・・・

もう少しはっきりとしたことを云ってしまえば、人為災害に備えるため、人間たちを庇護しようとしていたのです。

 

けれども・・・そう―――“総て”の、地球に点在する数あるコロニーを見捨て、自分たちが抱えるコロニーだけ・・・という、

いわば独善的なことでもあるため、女禍は自分に憤慨をしていたのです。

 

 

そして―――そんな残念な報告を胸に、姉たちの前に立つ女禍・・・

しかし、女禍はこの時、ある条件をもその胸に抱いていたのです。〕

 

 

女:―――お待たせいたしました・・・

ガ:>ふむ―――それでは結果を聞こうか・・・<

ジ:>けれどもお姉様―――それはもうすでに私たちのほうでも・・・<

 

ガ:>口を差し挟むんじゃないよ―――デルフィーネ・・・

  いくら辛かろうが、報告と云うものはきっちりとするもんだ、それが喩え・・・目に見えて分かっていたとしても―――だ。<

 

女:・・・地球上の緑の回復率―――12%・・・明らかに私の不手際です。

ガ:>そうかい―――それに、残留している放射能物質も減少傾向にはない・・・<

 

女:〜―――・・・。

ジ:>(女禍ちゃん・・・)<

 

ガ:>―――あたら、自分たちが招いてしまった不幸な結果とはいえ、目に余る惨状だ・・・

  それに、ヤツら・・・ウィドウたちの活動が、未だにコロニーの襲撃程度に限定されていること自体が、どうにも匂ってくる・・・

  そんな中で、私自身も これ をするのには気が引けるんだけどねぇ―――<

ジ:>〜では―――この際ですから、あともう50年ほど・・・<

 

ガ:>―――お前はどう思っているんだい、女禍・・・<

 

 

 

 

 

 

 

 

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