≪五節;“次元の狭間”へ・・・≫

 

 

〔地上での闘争の展開は、フロンティア側はラゼッタとマグラ・・・それに、ソレイユのクルーたちも何人か見えていました。

しかし、そこにはジィルガやガラティアの姿までは確認することはできず、

ならば今回の闘争には、あたら最高レベルに近い二人が出るまでもない―――ともする事が出来るのですが・・・

 

実際には―――

 

ソレイユ艦長ジィルガは、姉の所有している艦 ゼニス に寄っていました。

 

そしてゼニス艦長であるガラティアは、自らがあることをすることにより、

今回の不祥事に係る一連の事態を収拾させようとしていたのでした。〕

 

 

ジ:・・・それにしてもお姉様―――なにもあなたが・・・

 

ガ:いいや―――これでいいんだよ。

  あんたたちの姉であり、この宙域の管轄を任されていた私自らが罪を被れば、

  いくらフロンティアの上層部にいる狒々じじいたちだとて、さらさら文句のつけようもないだろう・・・。

 

ジ:だからと云って―――あの場所・・・“次元の狭間”などに・・・空間の澱みなどに身を堕(おと)されなくとも!

 

ガ:いいんだよ―――・・・

  それに、私自身あの場所でどこまで耐えられるか―――興味は尽きないものでね。

 

  ・・・ グラム と ベェンダー の件―――それから女禍ちゃんのこと、よろしく頼んだよ・・・

 

 

〔そう―――未来においてのガラティアに纏わるある逸話・・・

 

彼女自身が、“次元の狭間”と呼ばれる虚無の空間に身を堕としめ、100万年の永き時を紡げた時・・・その罪過は祓われる―――

 

けれど、一口に100万年とは云うけれど、彼女たちの種属 ノーブルエルフ からしてみれば、ほんの一瞬―――

人間たちの感覚からしてみれば、10年かそこらの期間に相当するものだったのです。

 

だからと云ってさすがに肉体まではそうはいかない―――・・・

それであるが故、ガラティアは後世では “死せる賢者”リッチー とも呼ばれるようになったのです。

 

それに―――ガラティアは、自らが“次元の狭間”に入窟する前に、次姉に対し、ある二つのモノの管理とあることを云い渡しておいたのです。

 

そう・・・ガラティア “次元の狭間”入窟前にしてようやく完成の日の目を見た、 斬獲剣グラム ―――と、

その剣を創る際に余ったジルコニアで創った ホムンクルス<人工鉱物無精生命体>ベェンダー ―――・・・

 

この二つの管理と、妹の手助けをよろしく頼んだのです。

 

 

そう・・・つまりジィルガは、当初から闘争には加わることはなく、後詰として参陣―――

そして執行官ではなく、緋刀貮漣の試作運用―――並びに、その剣に行き着くまでに精製した失敗作の十本の出来栄えの統計を取るため、

地上での闘争に降り立つこととなるのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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