≪二節;巡り合い、分かち合えるモノ≫
〔ヱニグマの前に立ちはだかるのは、最早 愛 を司る女神などではなく、
非情なまでに宇宙の法を遵守しようとする 裁きの獄吏 としての存在だったのです。
そしてその者は、罪ある者にこう宣下したのです―――
そう・・・個としての存在の崩壊を―――
それに裁きの獄吏本人も、自らが罪の拠り所になってしまったことを認め、
互いが闘争を繰り広げあい、勝利を収めた者のみが、その罪を払拭することができると云う・・・
云わば、強者の流儀に乗っ取ろうとしたのです。
―――しかし・・・〕
ヱ:なるほど―――・・・わたくし側の流儀を受け入れた・・・と、云う事は、あなたの方にも勝算あって―――のことですか・・・
ですが、わたくしがそのような―――
女:お前に拒絶する権利はない―――
このまま宇宙の塵芥となるがいい―――!!
ヱ:(・・・これほどまでとは―――ですが、わたくしとてこのままでは・・・!)
―――リヴァイアサンよ! お前の醸す純悪なるエナジーを、マスターであるこのわたくしに!!
〔なぜ女禍が―――云わばヱニグマが属するウィドウの流儀である、強者の流儀―――
敗者には何も与えられず、勝者にのみ総てが与えられる―――その流儀を受け入れたのか・・・
なぜ闘争の場を―――決着のフィールドを、敵地(アウェイ)であるリヴァイアサンで繰り広げようとしたのか・・・
それは最後に残された女禍の慈悲―――などではなく、既に絶対的な勝利を確信していたからではなかったか―――・・・
それが喩え アウェイ であろうとも―――絶対的に勝利を得る確信・・・
そんな不敵なまでの自信はどこからくるものなのか―――・・・
しかしそれこそが、現在の女禍・・・光と闇を完全融合させたる象(かたち)――― 乾坤神 ―――だからではなかったか・・・
それに、ヱニグマも自らの危機を感じたからこそ、自分の旗艦であるリヴァイアサンの全出力を自らに注ぎ込んだのです。
そして―――・・・〕
ヱ:フフフ―――・・・受けるがよい・・・わたくしと、わたくしの艦リヴァイアサンの総てを!!
――インファナルアフェア――
ヱ:・・・フ―――いかが・・・です? このわたくしを軽んじ、侮ったことを・・・
女:―――なんだ、やればできるじゃないか・・・
受け止めさせてもらったよ―――あなたの、総てを・・・
ヱ:ばっ―――莫迦な??! あれを受けて・・・平然としていられるはずが・・・
女:―――なるほど、これがあなたの総て・・・
ようやく判ったよ、あなたと私が、何者であるか・・・
〔また―――また・・・だ・・・また、不思議な感覚を感じた・・・
それも、最初に会った時にも、どことなく感じた―――相手と自分の 共通点 ・・・
それが、それまでは 何か であったのですが、直接に対峙してみて判り合えることがある―――
ナゼ―――どうして―――自分たちは引き合わなければならなかったのか・・・
どうして―――早く―――もっと早く、自分たちは巡り合い、今日(こんにち)の事態にならなかったのか・・・
もっと早くに―――出会ってさえいれば・・・尊い犠牲も払わずに済んだものを・・・
女禍の残念な想いは、総て彼女自身が吐いた言葉に集約されていました。〕
女:けれど、もうお終いだ―――! それまでにあなたは、醜く捻じ曲がってしまったのだ!
残念だが・・・今の私の総ての想いを、受けるがいい―――!!
ワイトークルスト
――乾坤極絶光弾――
〔何と云う―――哀しい光を眸に宿し・・・
何と云う―――哀しみを帯びた声色をするものか・・・
今までに自分に纏わりついていた疑問は、相対峙していた者の総てを受け入れることで、はっきりと判る事が出来ました。
そう・・・自分たちは―――・・・
今―――女禍の総てが集約され、ヱニグマに向かって放たれた・・・
そして・・・女禍の想いの総てを受け止めた者は―――
極限までに膨れあがった女禍のチカラは、今件の諸悪の源を包み込み・・・
そのまま・・・一つの存在の総てを―――・・・〕