≪二節;肚の中に抱きしモノ≫
〔一方そのころ―――あのキャンプ地では・・・〕
女:ふう―――・・・
(随分と手ひどくやられたものだな・・・でも、もうこれでは組織としての運用はままならないだろう。
それに―――これでいいのかも知れない・・・なまじ力を有していたから、昨晩襲ってきた連中に目をつけられたのだろうから・・・)
〔女禍は―――昨晩の戦闘で、このゲリラ組織・・・『紅いジハド』の兵士及び、その家族が多くなくなった事に、
深い哀しみを覚えていました。
でも、その半面で、対抗勢力になりえなくなったことから、これ以上の被害も出ないだろう・・・そのことは多様にして感じていたのです。
けれど―――あの戦闘の終了より十一時間後・・・
本国へと帰還せず、近くの有効のある国へ駐留していた、かの部隊の下へ・・・
その指揮をすべくの人物が到着したのです。〕
バ:皆―――そのままで聞いてくれたまえ。
今回の諸君達の働きは、実に素晴らしいものだった・・・にもかかわらず、失敗した―――と、いうのは、
偏えには、あの存在が邪魔をしたから・・・ではなかったかな。
フ:・・・補佐官―――アレは一体何者なんです?
バ:それは―――ファーガソン、君のほうでも大方の予測が就いている事だろう・・・。
まさに“その通り”の存在としか、言うしかないだろう。
フ:な・・・なんと―――で、では??
ハ:うむ―――そこで我々は、彼の者を完全に我々の庇護の下においておく代わりに、
その技術を、我々のものとすべく、交渉を行おうと思うのだ。
フ:し―――しかし・・・
ハ:(フ・・・)何も―――今回は目立った武器を使用するものではない、
実に・・・“平和的”な、交渉だよ―――
フ:――――・・・。(まさか・・・この男?)
〔このとき―――特殊部隊の隊長は、殊更に『平和的』を強調しようとした、この特別補佐官の言葉に、
ある種の違和感を抱いていました・・・。
そしてそれは―――彼の・・・次の言葉に示唆されていたのです。〕
バ:(フフフ・・・あの技術は、我々のモノだけでよいのだ―――
あの優れた技術を、我々だけが有し・・・やがては全世界を我々の下に跪かせる・・・
これは―――その第一歩に過ぎないのだ!!)
〔女禍の行使する技術の占有―――そのことに比べれば、今回のキャンペーンの失敗など、取るに足らなかった・・・
でも、イデオロギーから、その意義、価値観まで違う 種 と、果たしてどこまでこの交渉は成功するのでしょうか。
いや―――それにしても、彼らはどうやって、(元)ゲリラ組織に身を置いている女禍と、交渉をしようとしていたのでしょうか。〕