≪五節;人面獣心≫

 

 

〔それから数時間後―――このキャンプ地に、米海軍のヘリが降り立ち、

彼らと一緒に乗り込もうとする女禍が・・・〕

 

 

女:(これで―――今後、彼らに害が及ぶ事はないだろう・・・。

  それに、この私の“顕現”が、『平和利用』してくれるならば・・・)

 

 

ア:お姉ちゃ〜〜―――ん!!

 

女:(あ・・・)アベル―――!

 

ア:お姉ちゃん・・・また―――きっとここに戻ってくるよね?

女:うん・・・少しばかりかかると思うけどね。

  それまで、いい子にしているんだよ―――

 

ア:うんっ―――!

 

 

〔この場所を去ることに、未練は残っていない・・・そう言うと、少しウソを吐いていることになるけれど、

一つのところに固執しているほど、自分も子供ではないと思っていたので、敢えて サヨナラ は言いませんでした。

 

けれど―――〕

 

 

バ:(・・・よし―――)

  (ピッ)[予定通り、状況を開始してくれ。]

 

 

〔この男―――バイスが自分の腕時計に向かって、何かを語りかけた事・・・それは一体何を意味するものなのか―――

 

ですが・・・この時すでに、地中海上にあった原子力空母搭載のF−18Dが・・・

この地を―――・・・

灼熱色に染めるべく―――・・・

飛び立っていたのです。

 

 

そして―――女禍がそのヘリに乗り込むや否や―――〕

 

 

コ:[こちら、コンドール1、ターゲットは無事、鳥篭の中に入りました。]

ス:[こちら、スティンガー、了承した。

  これより、状況を開始する。]

 

女:(え・・・?)なんなんだ―――今のは・・・

  どういう事なんだ―――!状況を開始するなんて―――!!

 

バ:(フフ・・・)あなたの有する技術は、我々の下で、有用に活用させていただく。

 

  それに―――あのような異教徒共は、のさばらせておくと後々厄介な事になりかねない・・・。(ククク・・・)

 

女:そ―――そんな・・・まさか、お前達は・・・最初からこの私との約束を―――

 

バ:“約束”―――?

  ああ・・・あんな口裏合わせだけのモノに、どんな効力があるとでも―――?

 

女:・・・た―――謀った・・・と、いうのか??

  ゆ・・・許せない・・・この私の気持ちを利用しようなんて―――!!

 

バ:(フッ―――)なんとでもお言いなさい。

  あなたも、この機に乗り込んだ以上は、この私の指示に従ってもらう・・・

  もうそれしか 道 は残されてはいないのだよ―――

 

 

〔そこで偶然に耳にした交信―――それは・・・この地に爆撃をかけるべくとられたものでした。

 

そのことを知った女禍は、その時になってようやく自分が謀られた事に気付いたのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>>