≪二節;取り戻したる自我の下で≫
〔それは―――星々の“耀”の力を集めた・・・穢れなき力―――
もう・・・自分の愛する者を止めるには、これしか方法は遺されていなかったのです。
しかし―――自分の真向かいにいる 姉 が、どうして左下半身を 蒼 で染めつつあるのか、
未だ知覚できずにいた者は―――・・・〕
女:(姉―――さん・・・?? どうして血なんか・・・・
もしかして―――私がやってしまったのか??!)
〔自我が、徐々に取り戻せる中―――・・・星々の“耀”を集約した力を受けようとする中―――・・・
下半身を蒼に染めつつある姉を見て、自分は越えてはならない一線を越えてしまったことを、ようやくにして知覚した・・・
それと同時に、その・・・『星々の 耀 を集約した力』を、総て受けきってしまった女禍は、
禍神モードはもとより、執行官モードも解け・・・普段通りの姿となって、力の奔流へと飲み込まれそうになった―――
―――と、その時、彼女を救った影が・・・一陣の旋風となって、その場から≪ソレイユ≫へと、空間転移したのです。
しかし―――その存在こそ、女禍の姉であるジィルガなのでした・・・。
そして―――次に目覚めたとき、自分が医務室のベッドの上に寝かされているのを自覚した女禍は・・・〕
女:・・・・そうか―――私は・・・・
〔あの忌まわしき姿になってからの事は、余りよく覚えていない・・・
けれど、断片的に飛び込んできた映像は覚えていた―――・・・
そう―――あのとき・・・自分の真向かいに位置した相手が、実の姉であることと、
その姉の下半身が蒼く染まりつつあったあの光景を―――・・・
それを思い出した女禍は―――・・・〕
女:あぁぁっ〜〜・・・・わ、私は――――・・・・なんという事を!!
――――そうだ・・・こんな事をしてはいられない・・・姉さん―――!!
〔その・・・哀しむべき事実は、認めなくてはなりませんでした・・・。
自分が生を受けてより、面倒を見てくれた姉―――
自分をこの上なく可愛がってくれた姉―――――
周囲からは『過保護過ぎる』と云われたほどの、その可愛がり様は、
実は、自分でさえもうっとおしく感じられていたけれども――――・・・
あのとき―――自分ではない自分と対峙し、傷を負ってしまったのは、紛れもないあの姉だった・・・と、いうことに―――
だからこそ、今はナニをおいても姉の安否を第一に確かめるために、急いで≪ソレイユ≫のブリッジに向かったのです――――〕