≪六節;外された目論見≫
ガ:おお〜〜―――可哀想な妹よ!! 今、お姉ちゃんがたたき起こしてやるからね゛!!
〜でぇりゃああ―――!〜
ジ:(ひぃ・・)―――――。(ささっ〜)
〔しかも―――! もうすでに『刹(ヤ)る気満々モード』に入っているガラティア女史は、
高々と上げた小道具を―――渾身の力を振り絞って振り下ろし・・・
―――と、ところがぁ〜〜??
昏睡状態であるはずの重症人は、今までのやり取りが判っていたかの如く―――の、ナイスタイミングで、
大きい姉からの攻撃を避けてしまったのです。
それを目の当たりにしてしまった、この重症人の事を第一に心配していた者は・・・〕
女:(あ・・・あれぇ〜?)じ・・・ジィルガ姉さん??
マ:(あ――――)
ラ:(やっぱり―――)
ジ:(うわ・・・)アダマンチウム製の寝台がメッコリ逝っちゃって――――
ま・・・まさかお姉様、私を本気で――――
ガ:〜〜〜――――。(ちっ)
ジ:(ひくッ)なんなんですか・・・・その、さも残念そうなお顔は―――
ガ:あ、そりゃそ〜と?♪ 女禍ちゃんの唇奪えなくて、ざァ〜ンねんだったわねぇ――――?♪
ジ;(うぅっ・・・く―――)全く――――本当に遺憾ですわ・・・
〔“瀕死”の重傷―――で、もはや息も絶え絶え・・・かと思いきや?
意外(?)にもその人は元気で、本来の目的を実の姉に シャットアウトぉ! されてしまったことや、
末の妹公認(?)で、暗黙のうちに葬り去られようとした事を、文句つけようとしたところ、
どうもそこには我々には知る由さえない、様々な駆け引きが存在していましたようで・・・
でも、確かジィルガは――――〕
マ:そういえば先生―――女禍さんにどてっ腹開けられて・・・
ジ:あっ〜〜〜――――あいたたた・・・・そ、そういえばそうなのよ〜〜・・・
女:あっ―――・・・・(しょぼん)
ガ:そういえばさぁ〜〜―――最近の印刷技術・・・って、本当にリアルに出来てるよねぇ〜?
ジ:(ギク・・・)
女:ちよっと―――ガラティア姉さん!なんてことを云ったりするんです!!
そんな・・・印刷技術の事なんか、今は関係ないで・・・
ガ:あ、ほりゃ〜〜――(ピラリン〜)
女:しょっ―――??・・・・ってこれ―――透明なフィルムに、傷痕の・・・・
ラ:印刷物ぅ〜?!
ジ:い゛っ―――(や・・・やばぁ〜)
ガ:しかもこれ、“ウソ血”ぃ〜〜―――♪
マ:“ウソ血”??!
〔そう・・・確かジィルガは、【禍神】となってしまった妹から、生体部分の約六割を損傷されてしまって、
死の淵から甦るために集中治療をするため、医務室へと来ていたのですが・・・
自分たちの 一番上の姉 からは、その時余り関係ないような『昨今の印刷技術の躍進』が、叫ばれ―――
すると、姉の手には傷痕を模したかのような印刷物が??!!
しかも、左下半身を蒼く染め上げたモノが、『血ノリ』??!!
それをみてしまった女禍は――――〕
女:・・・姉ェェ〜〜さぁぁ〜〜ん゛!##
これは一体どういう事なんデスかッ!!##
ジ:ああ〜〜―――いやぁ・・・こ、これはね??
ガ:だぁ〜かぁ〜らぁ〜さぁぁ〜〜―――さっきから言ってるぢゃないのよさ。
こいつ、お前の唇奪うために、一芝居打ったんだから。
ラ:あっ――――
マ:禍神だ・・・・
〔なんと―――自分が謀ろうとした事を悉く、自分より優れている姉に見破られ、しかも暴露までされ、
真もって立つ瀬のないジィルガ―――
剰え―――そこには、今まで心配してやったのが総てむだと思い知った・・・
それでいてあのときにいた【禍神】―――まではないけれど、それに準ずる形相の者がおり、
そこにいた全員を巻き込んでの大乱闘になってしまったようでございます――――。〕
To be continued・・・・