≪二節;寝醒めのとき≫
〔それから―――程なくして、眠りから醒めた女禍は・・・〕
女:(うぅ〜ん・・・)はっ!! わ―――私は・・・!
ガ:オヤ―――起きたようだねぇ。
女:ガラ・・・ティア姉さん・・・それに、ジィルガ姉さん―――
そうか・・・私は――――確か、ジィルガ姉さんの身体を・・・
ガ:なぁに云ってんだよ―――忘れたのかい、 ディスペル・バウンド を。
女:“ディスペル”―――?
ガ:(はぁ゛〜〜)常人では考え付かないほど高速で処理される『絶対防衛圏』のことだよ。
執行官<エクスキューショナー>の免除をとるときに教えたろ??
女:――――あっ・・・
ガ:全く―――あんな見せ掛けに欺けられるようぢゃあ、まだまだだねぇ〜〜―――
女:(う゛・・・)申し訳ありません―――
〔一通り寝付いて目覚めたときには、すぐそばには二人の姉の姿が・・・
そこでようやく―――ジィルガが、無事な姿のままでここに居るのか―――が、語られることとなったのです。
そう―――それこそは『ディスペル・バウンド』といわれる、彼女達の種族に備わっている、
生体的防御圏といわれる代物・・・
『物理的』や『非物理的』(いわゆるところの魔法などの間接的障害による干渉)などの危険性から、
無意識下的に発動するこの特性を、いち早く知りえていたガラティアは、研究に研究を重ねた上でこれを汎用性に長けるものまでに発展させ、
それはすぐにでも全宇宙の軍隊や警察機構の装備に導入された・・・
つまりその事で認められた彼女は、以後『プロフェッサー』と字(あざな)されたのです。
―――と、それはそれとして・・・急にあることを思い出した女禍は・・・〕
女:あっ―――!そういえば・・・私は確か、アベルたちを虐げた者達を・・・
ガ:――――どうやらそこのところまでは覚えているようだね・・・。
女:――――え??
ガ:まだ判らないのかい―――つまるところ、ある場所でそのこと以上のモノを見たお前は、
忌まわしき姿―――『禍神』になってしまったんだ・・・
そんなお前を止めるべく、デルフィーネのヤツは、危険と知りながらもお前と対峙してしまったんだ・・・。
んで―――しかも、お前は“火”のポテンシャルまで行使しようとしていたとき、こいつは『超伝導』で抑え込もうとしたんだけどさぁ〜〜―――
女:―――したん・・・だけど??
ガ:・・・・見てみるかい、お前がなしてしまったことを――――
〔そう―――それこそは、その建物のある区画に隠蔽されていた、老朽化をし放射能漏れを起こしかけている、
この世で最も害をもたらすモノの存在・・・
それを目にしてしまったことで、怒りに我を失ってしまった者が、次なる行動を起こしてしまったこと・・・
つまり―――その場にあるモノを破壊した挙句、総ての発射台にエラーメッセージを送信してしまったこと―――
そのことを事実として受け止めるように言われたのです。
それにしても・・・それはまさに事実としては厳しいものでした―――
自分が放った火種が因(もと)で、次々と誘爆・発射をしていく、この世で最も害をもたらすモノ―――
しかも、それを包み込もうとする姉の放った顕現(チカラ)―――・・・
でも―――その顕現も、自分と姉がその場からいなくなると同時に、急激に効力が失われ・・・
結局、最終的に見ることとなったのは、
爆心地より半径数千kmが焼け野原―――、数十万kmが爆風により、総ての家屋・建物が倒壊全損、
数百万kmにいる生物でさえも放射線による熱で焼かれ・・・
『西海岸』と呼ばれる、この大陸の対岸地域でさえも、“死の灰”と呼ばれるものや、“黒い雨”が降っていた―――・・・
そう―――そこは、すでに生物が棲めるという環境ではなくなっていたのです。〕