≪三節; “正義” ≫
〔この―――破壊行為があったことの一部始終を目の当たりとした女禍は・・・〕
女:あ―――あぁ・・・私はなんと言うことを・・・
それでは姉さんは私を――――
ガ:・・・私が―――お前が執行官になったときに、初めて云って聞かせた言葉・・・覚えているかい―――
女:・・・はい―――。
――総てに於いて“法”の名の下に 摂理 を執行せし者の 正義 は――
――絶えず自らが証明していかなくてはならない。――
――なぜならば総てに於いての 事象 の数々には――
―― 善 悪 の区別などないから――
ガ:それじゃあ―――あの時、お前にはその“正義”はあったのかい。
女:――――・・・。
ジ:お姉様―――・・・・
ガ:お前は口を挟むんじゃあないッ!!
女:――――・・・判りません。
“ある”といえばあるように思えたし―――“ない”といえば・・・
ガ:“なかった”か―――・・・
それじゃあ一つ聞くとしよう、ではどうしてお前はあの少年を救おうとしたんだい・・・
女:アベルは――――
ガ:それこそが、お前の“正義”だったんじゃあないのかい―――
女:・・・・・。
ガ:―――だけど、あそこであんなもん見つけちまったから、つい我を忘れてしまった・・・
そこを考慮すると、今回の事は『お相子』ってところだねぇ―――・・・。
〔そのモニター画面に映し出されていたのは、憎悪な・・・醜悪なる自己の表情でした・・・。
しかも―――自己の感情赴くままに振るわれたチカラは、もはや“暴力”のなにものでもなく―――・・・
では、だとしたなら、姉たちがいるというのは、自分が持っている執行官の特権の剥奪と、罪に服することの言い渡し・・・
―――か、とも思われたのですが、
このときガラティアはもう一度だけ機会を与える事にしたのです・・・。
この純然たる怒りを発した末の妹に、罪は掛けられないとして・・・〕