≪七節;ご用件は食事の後に―――≫
〔そんな―――技術力の高さに、大いなる感銘を受けたアベルは・・・〕
ア:あ―――あの・・・ボク、これを創った人に会ってみたいです!!
女:・・・それはどうしてだい。
ア:だって―――素晴らしいじゃあないですか・・・!
こんなちっぽけなもので、総ての言語が判り通じ合えるなんて・・・
それに、ボクはこういった精密機械に凄く興味があって―――
女:ふぅん〜〜―――・・・
(そういえば―――・・・姉さんも助手を一人欲しがっていたなぁ・・・
よし―――これも何かの機会だ、一度会わせてみる事にしよう。)
ア:あの―――・・・ダメですか?
女:うん?いや、いいよ―――君がそれほど望むのなら、その人に会わせてあげよう。
ア:ほ―――本当ですか?! あ、ありがとうございますっ!!
ラ:――――ダメよ・・・
女:(え・・・)ラゼッタ―――?
ア:ど―――どうしてなの?
ラ:・・・だって私、お腹がぺこぺこなんだもの、
あの方に会う前に、こっちのほうを解決するのが先決だと思うわ?
ア:あっ―――そ、そういえば・・・(ぐうぅ〜)言われたら途端にお腹か空(す)いてきたよ・・・
ラ:まあっ―――(クスクス)
女:おやおや―――(うふふふ・・・)
それでは、三人とも意見が一致したことだし―――
ラ:はいっ―――食堂室へと参りましょ♪
女:(ウフフフ―――いい傾向だ・・・哀しみにも埋(うず)もれる事もなく、この子と笑って会話が出来ているなんて・・・)
〔そう―――ここでなんとアベルは、あのガラティアに弟子入りを志願したのですが、思わぬとこから足止めが・・・
それはラゼッタからだったのですが、急ぐアベルを止めたのにも、それなりのわけが―――・・・
そう、興奮していて、そんな風だとは気付かなかったけれど、三人とも実は空腹なままだったのです。
そのことを急に思い出し、生理的に鳴ってしまう腹の虫―――・・・
しかしそこで女禍はまた別の光景を見ていたのです。
二親を亡くしたとて、悲しみにくれることはなく、笑いあって語り合う二人―――・・・
そう・・・そこには、自分の目指していた未来がそこにはある―――と、そう思ってもいたのです・・・。
しかし―――その前に、これから腹ごしらえをするために、三人揃って食堂室へと向かおうとする・・・
そんなアベルの目の前に―――?〕
ぴょこっ――― フリフリ・・・
ア:(ン?)なんだろう―――これ・・・(むンず)
〔彼は―――自分の目の前に顔を覗かせた、ちょっと細長くてぴょこぴょこと動くモノ・・・
言い換えるならトカゲの尻尾のようなものを、興味本位で握ったのです。
すると―――?〕
ラ:(――ビクっ!)ひゃうんっ! ふ・・・ふぁぁぁ―――・・・
女:おや―――どうしたんだい、ラゼッタ・・・。
ラ:だ・・・ダメえぇ〜〜っ―――そ・・・そこ・・・私、弱いの〜〜―――(ビクッ!ビククッ!)
ア:えっ?そ・・・そこ―――って・・・う、うわわっ! こ・・・これ、君の―――??!(ギュむむぅ〜)
ラ:ひゃあぁ〜―――ンっ! バ・・バカぁ〜!なんでそんなに強く・・・あはァんっ!(ビクッ☆ビクッ☆)
ア:し―――尻尾・・・(ぱっ・・・)
ラ:は―――はぁぁん〜(くてぇ)
女:(あ―――ああ、なるほどね。)
ゴメンゴメン―――先に云っておくべきだったね、この子の名前はもう知っての通りだけど・・・
このこの種族は ハイランダー【竜眷属】 といってね、つまりはドラゴンの一種なんだ。
ア:えぇぇ〜〜―――っ・・・竜って本当にいたんだ・・・
女:うん、他にも色々といるよ、トカゲ族だとか、ワニ族だとか。
ア:へぇ―――・・・御伽話ばかりじゃなかったんだ・・・。
女:それに、尻尾は彼らの最も弱いところというからね、今のように不意に掴まれてしまうと、力が抜けてしまうんだ。
〔彼にしてみれば、自分の目の前に現れたある物体を掴んでしまった―――
でも、それはラゼッタの弱点でもあった、彼女の尻尾だったのです。
しかも、今の女禍の説明にもあったように、こういった連中の主な弱点はそこにある―――なのですが、
やはりというか、ラゼッタもその範疇には外れることはなかったようです。
そして―――萎えた体をようやく起こして、開口一番にラゼッタが云うには・・・〕
ラ:――――ん゛〜〜〜〜もうっ、サイッテー!!
レディーの一番敏感なところを触るだなんてッ!!(プリプリ)
ア:えぇ〜〜―――っ・・・でも・・・
ラ:“でも―――”じゃないでしょっ! 全く・・・ど〜してこうも♂型は・・・
女:はぁ〜〜―――い、それまで・・・
確かに女の子の一番弱いところを触ってしまったアベルも悪いけど・・・
そこを―――アベルを警戒しなくなって、不用意に出してしまったラゼッタも悪いんじゃあないかな・・・。
ラ:えぇえ〜〜―――っ・・・だってぇ・・・
女:それに―――そこが弱点だ・・・って、アベルが知ったのも、さっきが最初なんだったし―――
だから、これでお相子―――仲直りだね。
〔確かに―――女性の一番“感じる”処を強く触ってしまったのは、アベルに非がありました。
けれども―――そのことをアベルは元々知らず、知ったのにもラゼッタから云われて・・・だったのです。
そこを女禍は間を取り持ち、折角出会った 縁(えにし) を消さないように、喧嘩両成敗としたのです。〕
To be continued・・・・