≪四節;相見(あいまみ)える瞬間≫

 

 

〔強い力を持った者―――三体が、なんの前触れもなくこの場に来ようとしている・・・。

そのことを鋭敏なセンサーでキャッチしていたヱリヤは、既にマグレヴに来ていた同志達と共に参上した次第ではあったのですが、

そのうちの約一名が、少々戯れている感が否めなくもなかったモノだから、ついいつもの調子で注意したモノだったのです。

 

その様子を見て―――少しばかり緊張を解(ほぐ)した者達の前に・・・

空間転移の際に起こされる、特有のフラッシュ・バック現象・・・強い光がより強く瞬(またた)いた次の瞬間―――〕

 

 

タ:う・・・うぅ〜むむ・・・あ、頭がふらつく様だ―――

婀:そ・・・それに、妾の方でも―――目の前がちらついて〜・・・

ア:大丈夫ですか―――お二人とも・・・

  それよりもここは・・・座標に誤りがなければ良かったのですが・・・。

 

ヱ:タ―――タケル・・・殿に・・・

エ:婀娜那ちゃん―――?!

ジ:それに・・・母上まで?!

 

タ:うん? ・・・そのお声―――ヱリヤ様にエルム様・・・

婀:それに・・・皇女様のお声も聞こえるようですな―――

ア:ウフフ・・・どうやら無事―――それも彼の者達よりも早く、こちらに着けたようですね。

 

 

〔そう―――マグレヴの王宮の、それも玉座の間と云う限られた場所に転移してきた者達とは、

何かしらの危機を察知し、自らの能力を行使した女皇アヱカ―――と、彼女を護るために一緒についてきたタケルと婀娜那の夫婦・・・の、三人でした。

 

しかもこの時―――アヱカは、自らが察知した危機が最上級のモノであることが判っていたからか、

敢えて通常空間と軸を同じにはせず、云わばそちらとは隔離した場所に転移してきたのです。

 

それに、その事情を説明する為か、前(さき)にこちらに派遣しておいた同志達とは同期させておく―――と、云う離れ業をやってのけたのです。

 

しかしそれにしても・・・アヱカにしては不思議な物云い―――「彼の者達」と云う、いわば不特定な呼び方をしたのです。

でも・・・すぐにその不特定な存在は、何者であるかが知れました。

 

それと云うのも、アヱカ・タケル・婀娜那の三人が現れた直後―――

マグレヴと敵対しているマルドゥクの・・・「地霊将軍」と呼ばれている―――ゾズマ=ルクスゥ=アグリシャスと、

「蝋白の美女」と呼ばれている―――プルミエール=ド=オプスキュリアの二人が・・・〕

 

 

プ:フ・フ・フ―――どうやら時間は、常に吾に味方していると見られる・・・。

  その証拠に、吾の慾するモノ総てがここに・・・

  これで、この美しき天体も―――やがては吾のモノに・・・そうであろう、ルクスゥ。

 

ゾ:は・・・総ては主の思(おぼ)し召すままに―――

  それに・・・私の方も、過去の総てを―――清算出来そうにございます・・・。

 

  いかが―――ですかな・・・既に覚悟の方はお決まりか・・・姉上。

 

ヱ:おのれ・・・ゾスマ! 貴様―――どの口がそんな言葉を!!

 

ゾ:フフ・・・今ではそんな言葉も虚しく聞こえる。

  このお方こそは、新たなる救世主―――そしてこの宇宙を統べるに相応しい真の主となるべき方なのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

>>